- 日時
- 2017年07月21日(金)17:30~18:30
- テーマ
- 臨床検査部が関与していく新たな取り組み
(国立がん研究センター 東病院発信)
司会:国立がん研究センター東病院 病理・臨床検査科 臨床検査技師長 蓮尾 茂幸
1.臨床研究への取り組みについて
国立がん研究センター東病院 病理・臨床検査科 臨床研究検査室 苅部 正宏
当院では、がんに特化した臨床研究を多く実施している。検査科では責任医師、治験管理室、治験依頼者およびその他の関連部署と連携し主に企業治験業務を行っている。治験初回投与前までには、臨床研究、病理、生理検査室を中心に、プロトコールの臨床検査にかかわる内容を確認し、必要な資料を作成している。その中には他施設ではCRCが行っている業務も多く含まれている。治験投与期間中は、治験用採血管の作成、検体処理、治験心電図測定等を実施している。また、検査科ではISO 15189の要求事項に基づいた国際基準の管理体制にて業務を実施しており、各種作業手順書の作成、治験に関わる機器の保守や校正および各記録簿は要求事項に則り、行っている。これにより治験の検査に関わる業務の品質を高め精度保証を担保している。今回は、当検査科における臨床研究の取り組みについて報告する。
2.乳腺造影超音波検査の導入に向けての取り組み
国立がん研究センター東病院 病理・臨床検査科 生理検査室 中井 恵子
乳房腫瘤性病変に対して2012年8月より超音波診断用造影剤「ソナゾイド」が保険適用となった。それ以降、乳腺造影超音波を導入する施設は増加している。造影超音波検査は、造影剤アレルギーや腎機能障害を有する患者でも安全に、手術体位のまま施行可能な利点があり、腫瘍の広がり診断や薬物治療の効果判定への利用・応用が期待されている。本発表では、乳腺造影超音波検査導入に向けての取り組み、実際の症例、今後の課題を交えて報告する。
3.呼吸器細胞診断のpitfall 粘液産生性病変の細胞診診断
国立がん研究センター東病院 病理・臨床検査科 病理検査室 説田 愛弓
肺腺がんにおける粘液産生性病変の細胞診は、杯細胞に類似し、異型が軽度であるため、診断が困難である事が多い。今回、WHOによる肺がん組織分類第4版に沿って診断が開始された2015年6月~2017年6月の期間中に、肺生検で粘液産生性もしくはgoblet cell typeの腺がんと診断された標本について、同時に採取された細胞診標本を見直し、生検の結果との比較、細胞像の検討を行ったので報告する。