- 日時
- 2020年11月20日(金)17:30~18:30
- テーマ
- 東病院における遺伝子検査および病理治験業務の取り組み
(国立がん研究センター東病院発信)
司会 国立がん研究センター東病院 臨床検査部 臨床検査部長 国仲 伸男
1.Direct real-time RT PCRアッセイを用いたSARS-CoV-2 RNAの検出とウイルス輸送液
国立がん研究センター東病院 臨床検査部 中村 信之
COVID-19の正確な診断は、時間的にも空間的にもSARS-CoV-2の拡散を監視する上で重要である。RT-PCRがゴールドスタンダードであるが、各社キットが乱立して適正な検体輸送液に関する情報が乏しい。また、市販の検体輸送液が入手困難になった場合の代替え手段も必要である。今回、我々は生理食塩液が市販のウイルス輸送液の代替えとなり得るかを検討したので報告する。
2.がん遺伝子パネル検査における取り組み
国立がん研究センター東病院 臨床検査部 説田 愛弓
当院では、先進医療B、保険診療としてのがん遺伝子パネル検査の実施を通じて、ゲノム医療実装化のため体制を整えてきた。その一環として、臨床検査技師、看護師、薬剤師、臨床研究コーディネーター、遺伝カウンセラーからなるがんゲノム医療コーディネーター(以下CGMC)が構成され、それぞれの専門性を生かした役割を担っている。今回、当院における検査補助説明を始めとしたCGMCとしての臨床検査技師の取り組みについて報告する。
3.がんゲノム医療コーディネーターとして検査前補助説明に難渋した一例
国立がん研究センター東病院 臨床検査部 岩谷 あゆみ
がんゲノム医療コーディネーター(以下CGMC)の役割は、がん遺伝子パネル検査前の補助説明も担っている。がん遺伝子パネル検査を受けるにあたって患者には、同意書にて遺伝性腫瘍の情報提供などを記載してもらっている。今回、臨床検査技師であるCGMCが補助説明を行った際、遺伝性腫瘍の情報提供に対する本人と家族の意向の違いが認識される場面に遭遇した。その関わりと対応方法について検討した結果を報告する。
4.当院における病理検査室の臨床研究・治験業務への取り組み
国立がん研究センター東病院 臨床検査部 相羽 拓矢
臨床研究・治験において「臨床研究法」、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」をはじめとする様々な指針や省令に基づき、試料は適切に管理されなくてはならない。当検査部では臨床医、臨床研究コーディネーターまた治験依頼者(製薬会社)等の様々な職種と連携を取りながら臨床研究・治験業務を実施している。本題では病理検査室での臨床研究、主に治験業務への取り組みについて報告する。