- 日時
- 2021年07月16日(金)17:30~18:30
- テーマ
- 四国がんセンターにおける最近の取り組みについて
(四国がんセンター 発信)
司会 四国がんセンター 臨床検査科 副臨床検査技師長 上村 直也
1.腫大した腋窩リンパ節の鑑別に苦慮した一例
四国がんセンター 臨床検査科 土居 由生子
新型コロナウイルスに対するワクチン接種の普及に伴い、様々な副反応が報告されている。当院では最近、ワクチン接種後患者の乳房超音波検査にて、腋窩リンパ節腫大を指摘される症例が多くみられている。リンパ節の転移と反応性腫大は、超音波画像のみでの鑑別が困難なことも多い。今回は、乳がん術後経過観察中にワクチン接種による反応性リンパ節腫大と診断された一例を報告する。
2.乳がん受容体検査に適したセルブロック検体の推奨固定条件
四国がんセンター 臨床検査科 岡本 奈美
セルブロック検体を用いた乳がん受容体検査は、生検困難な検体で有用であり、今後広く日常的に行われると考えられる。組織検体についてはガイドラインによるホルマリン推奨固定条件が定められているが、セルブロックに関する検討は行われていない。
そこで、セルブロック検体を用いて正確な染色性を維持するために必要な固定条件、特に固定液の種類と固定時間について、今まで私たちが検討してきた結果を紹介する。
3.職員健診の残余血清検体を用いた新型コロナウイルスワクチン接種後の抗体価調査
四国がんセンター 臨床検査科 武森 実咲
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行に対し、国内においても新型コロナワクチンの接種が進められている。当院でも4月下旬から5月中旬にかけて職員へのワクチン接種が行われた。今回、職員健診の残余血清検体を用いてワクチン接種後のSARS-CoV-2抗体価の調査を行う機会を得たため、抗体量と職員健診各データと接種後の副反応(発熱反応)について関連性を調査したので報告する。
4.POT法を活用した感染対策
四国がんセンター 臨床検査科 中西 愛
MRSAは医療関連感染の主な原因菌として知られており、感染対策上重要とされる。
しかし、MRSAは市中にも広く蔓延しており、外部からの持ち込みか院内感染なのか明確でないことも多く、院内伝播を把握するには菌体間の相同性などを解析する必要がある。
当院では2017年よりPOT(PCR-based ORF Typing)法を導入し、院内で新規に検出した菌株や連携施設からの依頼菌株を対象に分子疫学解析を行っている。今回の発表ではPOT法を活用した当院の取り組みと今後の展望に関して紹介する。