- 日時
- 2024年11月15日(金)17:30~18:30
- テーマ
- 臨床への貢献 そして患者さんへ
がん研究会有明病院 発信
司会 がん研究会有明病院 臨床検査センター 副技師長 竹花 和美
がん研究会有明病院の検査室には臨床病理センターと臨床検査センターがあり、がん専門病院として診療・治療を支えるため、日々業務に励んでいる。がん罹患率は年々上昇し、これに伴い患者数も増加し検査内容や診断技術の向上、治療方法も著しく進歩している。
今回は、病理部での標本画像のデジタル化、輸血部の血液製剤廃棄率の削減、超音波部の乳癌診療における現状についての当院での取り組みについて紹介する。
1.当院病理部におけるデジタル化の取り組みについて
がん研究会有明病院 臨床病理センター 病理部 布施 翔大
近代医療現場では、ほとんどの分野で画像のデジタル化が進んでいる。病理の分野も例外ではないが、組織標本のデジタル化を通常業務の中で実施する施設は少ない。当院病理部では、2019年から標本画像のデジタル化を開始し、病理診断だけでなく病変範囲を推定するAIの研究等にも用いられる。今回は、病理標本の作製からデジタル化するまでの流れ、その上での工夫や苦労している点について、臨床検査技師の視点でまとめたものを報告する。
2.「血液製剤廃棄率」の削減に向けた取り組み
がん研究会有明病院 輸血部 小川 正美
2011年の病院機能評価の審査で、2%超えであった血液製剤廃棄率を1%以下にするようにという要求が出され、「廃棄率を限りなくゼロに運動」と称し5年以内に廃棄率1%以下を目標とし、それを達成した。しかし、2022年の同審査で、他部署の保冷庫は輸血部管理ではないが、返却された赤血球液は全て廃棄が妥当との勧告を受けた。それによる廃棄率上昇を防ぐため輸血療法委員会と輸血部の取り組みを紹介する。
3.乳癌診療における超音波検査の現状と役割
がん研究会有明病院 臨床検査センター 超音波検査部 圓岡 友里
乳癌は女性が罹患する癌の第1位で、その罹患率は年々上昇している。乳癌に対する治療は時代を経るごとに変遷してきた。手術で切除する範囲が縮小する一方、薬物治療の果たす役割も大きくなり、術前薬物治療による主病変やリンパ節転移の画像評価も重要となっている。また、再建後のインプラントに対する超音波検査も年々増加している。
今回、当院での乳癌診療における超音波検査の現状と役割について報告する。
2011年の病院機能評価の審査で、2%超えであった血液製剤廃棄率を1%以下にするようにという要求が出され、「廃棄率を限りなくゼロに運動」と称し