- 日時
- 2017年04月21日(金)17:30~18:45
- テーマ
- 副作用報告、RMP(リスク管理計画)を用いた安全ながん薬物療法の遂行
(宮城県立がんセンター発信)
司会 宮城県立がんセンター がん専門薬剤師 土屋 雅美
医薬品・医療機器等安全性情報報告制度(以下、副作用等報告制度)は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、薬機法)に基づき、医薬品等の使用によって発生する健康被害等の情報を国に報告する制度であり、医療関係者の義務とされている。当院のようながん専門病院における副作用等報告は、抗がん薬の安全性プロファイルの早期充実のためにも重要である。
今回の薬剤カンファレンスでは、本制度に関する当院の取り組みについて紹介する。
1.RMPを利用した副作用集積システムの構築
宮城県立がんセンター 薬剤部 主任薬剤師 江刺 晶央
薬物療法を適切に行うためには副作用を早期に発見することが非常に重要である。最近では免疫チェックポイント阻害剤による甲状腺機能障害や劇症1型糖尿病など今まで我々薬剤師が経験したことのない免疫関連の副作用も報告されており、これら副作用の早期発見が治療の継続に大きく影響する可能性がある。我々が構築した副作用集積システムは重要な潜在的リスクも含め副作用のモニタリングができるシステムである。今回、そのシステムの概略について報告する。
2.2年目薬剤師が医薬品安全性情報報告書作成を経験して
宮城県立がんセンター 薬剤部 嶺岸 なつみ
患者は62歳女性、再発気管がんに対し、ニボルマブ治療中。2サイクル目を外来にて投与後、横紋筋融解症の疑いで緊急入院した。入院後、スティーブンス・ジョンソン症候群が疑われる症状が出現。どちらもニボルマブによる副作用が疑われたため、副作用報告を行った。今回は、報告書作成にあたり、カルテより何の情報を得たのか、何を感じたのかを報告する。
3.副作用報告制度に関する研修会の開催
宮城県立がんセンター 薬剤部 主任薬剤師 宮浦 誠治
薬機法では、副作用等の国への報告は医療関係者の義務とされているが、当院においては報告件数が少なく、副作用等報告制度について十分に周知されているとは言えないことが考えられた。そこで当院の職員を対象に、本制度に関する理解の向上を目的として研修会を開催した。またその前後でアンケート調査を実施したので、その内容と結果について報告する。