- 日時
- 2019年04月20日(土)17:30~18:45
- テーマ
- 当院および近隣保険薬局における取り組み
(群馬県立がんセンター発信)
司会 群馬県立がんセンター 薬剤部長 齊藤 妙子
近年、高度・複雑化するがん医療の中で、当院薬剤部では、有効で安全な薬物療法の推進に貢献するため、様々な活動を行っている。
今回は、薬薬連携の推進、チーム医療への参画、薬剤師の資質向上に対する取り組みについて報告する。薬薬連携については、保険薬局薬剤師の立場からの提案を発表させていただく。
1.薬局プレアボイドから見えてくる薬薬連携の必要性と対応
共創未来 太田薬局 薬局長 須藤 洋行
我々は、がん薬物療法に関連した薬局からの疑義照会を“薬局プレアボイド"として記録し、ライブラリー化している。これを病院薬剤部に提示し、継続的な協議に活用している。未だ十分ではないが、一歩一歩、手作りの薬薬連携は前進している。本発表では、これらの取り組みの紹介と、病院薬剤部を中心とした薬薬連携システムの構築に関し、薬局プレアボイドを通して見えてきた薬局薬剤師からの提案を述べる。
2.肝動脈化学塞栓療法のクリニカルパスにおける薬剤師の関わり
群馬県立がんセンター 薬剤部 副主幹 新井 隆広
薬剤師がクリニカルパス(以下、パス)の作成や改訂に関与することで医療の質の向上へ寄与することが報告されている。肝動脈化学塞栓療法は、切除不能進行肝細胞がんに対する標準的治療として位置づけられているが、その制吐療法は確立していない。当院では薬剤師が中心となり、シスプラチン肝動脈化学塞栓療法パスの制吐薬を検討し、グラニセトロンの連日投与からパロノセトロンの単回投与へ改訂を行った。今回、パス変更前後における制吐療法の有効性および安全性を後方視的に調査したので報告する。
3.群馬県立がんセンターにおける学術的活動 エビデンスに基づいた提案ができる薬剤師を目指して~試行錯誤のJournal Club
群馬県立がんセンター 薬剤部 薬剤課長 藤田 行代志
当院では「論文を読み、医師にエビデンスに基づいた提案ができるようになる」ことを目標に、2014年からJournal Clubと称して論文抄読会を行っている。とはいえ、当院は論文を読んだ経験の無い薬剤師も多く、参加者が順番に論文の内容を紹介する、というやり方ではハードルが高い。そこで、論文の要点を理解するためのリストを埋めた上での参加を求めているが、なかなか上手くいかない。論文抄読会を行っている他施設とも、やり方の工夫についてディスカッションできると有り難い。