- 日時
- 2024年04月19日(金)17:30~18:30
- テーマ
- 北海道がんセンターにおけるチーム医療の一員としての貢献
(北海道がんセンター発信)
司会 北海道がんセンター 薬剤部 高田 慎也
近年、多くの新規薬剤の登場により薬物療法が複雑化し、その副作用マネジメントにはチーム医療アプローチによるサポートが必要とされ参加する薬剤師にも様々な対応が求められている。薬剤師による外来および入院治療の安全性向上への活動や複雑化している治験業務の効率化に向けた取り組みを紹介する。
1.薬剤師によるがん治療サポート〜北海道がんセンターの薬剤師外来〜
北海道がんセンター 薬剤部 梅原 健吾
薬剤師は、抗がん剤の適正使用や副作用管理、患者への教育サポートなど、多岐にわたる活動を通じて治療をサポートしている。今回、北海道がんセンターの外来がん治療の現場にて薬剤師がどのように患者の治療を支援しているかを非ステロイド性抗アンドロゲン剤であるアパルタミドを例に挙げて具体的に示す。この実践的なアプローチを通じて、薬剤師が外来で介入することが、がん患者にとって有益であることが示され、今後の課題や改善点にも焦点を当てたディスカッションができれば幸いである。
2.エプコリタマブによるCRS対応フローチャートの作成と運用について
北海道がんセンター 薬剤部 木村 雄太
エプコリタマブは再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫に使用されるIgG1二重特異性モノクロナール抗体であり、T細胞に発現するCD3とB細胞に発現するCD20の両者に結合することでT細胞の増殖及び活性化を誘導し、CD20陽性の腫瘍細胞を傷害すると考えられている。エプキンリの副作用として、サイトカイン放出症候群(CRS)が高頻度で報告されていることから、血液内科の医師と共に院内のCRS対応フローチャートを作成し、2023年12月より運用を開始したので紹介する。
3.治験被験者データベースを用いた業務効率化の取り組み
北海道がんセンター 薬剤部 深井 雄太
北海道がんセンターでは年間25試験ほどの新規治験を受諾しており、年間80名前後の新規被験者が組み入れられている。従来、治験進捗管理や各種費用請求の管理はExcelや紙媒体で行われていたが、事務作業量の増加が問題となっていた。今回、業務効率化のため被験者データベースを作成し、進捗管理から費用請求までのフローをシームレスに実行できる取り組みを開始したので報告する。