- 日時
- 2024年08月16日(金)17:30~18:30
- テーマ
- がん薬物療法における薬剤部の取り組み
国立病院機構 大阪医療センター 発信
司会 大阪医療センター 薬剤部・副薬剤部長 山下 大輔
近年のがん薬物療法の発展や医師の働き方改革の新制度施行などに伴い、当院でも、様々な取り組みを行ってきた。今回は、薬薬連携 / PBPM / 腫瘍循環器外来の立ち上げについての取り組みを紹介する。
1.乳腺外科における薬薬連携について
大阪医療センター 薬剤部 野田 拓誠
当院の年間がん診断数は結腸・直腸がんにつぎ乳がんが占めており、乳がんに対する薬物療法施行患者が多い施設である。乳がんは経口薬での治療も多く、アドヒアランスの維持・向上、副作用マネジメントにおいて保険薬局との連携は重要である。当院では年4回、当院の乳腺外科医師・薬剤師と近隣薬局の薬剤師と症例検討会や勉強会を行う乳腺カンファレンスを開催している。また、最近では経口ホルモン薬服用患者に対するトレーシングレポートの運用を開始した。今回乳腺外科における薬薬連携について紹介する。
2.がん薬物療法施行患者へのHBVスクリーニングのPBPM化について
大阪医療センター 薬剤部 宮城 和代
抗がん剤投与前にB型肝炎のスクリーニングを行うことが推奨されている。これまで、薬剤師は検査オーダを確認し、不足がある場合は医師へ測定提案を行っていたが、検査漏れがあることや業務の煩雑さが問題となっていた。そこで、検査漏れを防ぐ目的にがん薬物療法施行患者のHBV関連検査を電子カルテより抽出できるアプリを作成した。さらに、プロトコールを作成し、2023年12月より薬剤師がHBV関連検査の代行オーダを行うPBPMを開始した。今回、アプリやPBPMの詳細、現状について報告する。
3.腫瘍循環器外来の立ち上げと薬剤師による副作用管理体制について
大阪医療センター 薬剤部 長谷川 英利
がんの治療成績向上に伴い、飛躍的に生命予後が改善した一方で、がん患者ががん治療中もしくはがん治療終了後に心血管系疾患を発症するケースが問題となっている。当院では、2023年10月に循環器内科、血液内科、乳腺外科、薬剤部の4者でOnco-cardiology勉強会を立ち上げ、心機能の評価方法、心不全の診断・治療、エコー所見の見方など、各部署の「当たり前」を共有する取り組みを開始。2024年4月に腫瘍循環器外来を開設した。本発表では、当院における腫瘍循環器立ち上げまで取り組みと薬剤部での副作用管理体制について報告する。