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【放射線診療技師向け】 2017年

診療放射線技師のための多地点合同カンファレンス[2017-第1回]

(静岡がんセンター発信)
司会 静岡がんセンター
画像診断科技師長 中屋 良宏
放射線・陽子線治療センター技師長 半村 勝浩

1.一般撮影装置の使用経験

静岡がんセンター 画像診断科 廣澤 賢一

今年度当院に新規導入された一般撮影装置「FUJIFILM社製一般撮影装置BENEO-FX」の使用経験を報告する。「BENEO-FX」は、間接型FPD搭載装置で、エネルギーサブトラクションやトモシンセシス等の機能を有し、従来の一般撮影装置より診断可能領域を大幅に広げた装置である。特に当院は、RIS・PACS、QA端末、ポータブル装置等、一般撮影領域に関する装置がすべてFUJIFILM製品であるため、各装置との非常に有効な連携が可能である。今回は、「BENEO-FX」の機能の紹介と説明、導入の経緯、及び撮影画像の提示と今後の展望について報告する。

2.Volume MPRを使用したCT-fluoroscopy

静岡がんセンター 画像診断科 滝口 京佑

Interventional radiology (IVR)において、経皮的な穿刺手技を精度よく安全に施行するためにCT-fluoroscopy (CTF)が開発され、経皮的針生検やドレナージ手技、 経皮的ラジオ波焼灼療法 (radiofrequency ablation: RFA) などの手技に使用されている。近年、CT装置の技術向上によって難易度の高い症例に対しても低侵襲な治療を行えるようになった。Area detector CTを搭載したIVR-CTシステムにおいては、ワイドカバレッジを生かしたVolume ScanによるCTFが施行可能となった。本演題では、Volume Scanを使用したCTFについての概要と症例について報告する。

3.CBMを用いたPET-CT検査について

静岡がんセンター 画像診断科 明保 圭太

当院では2014年に連続移動収集機能(CBM)が搭載されたSiemens社製Biograph mCT Flowが導入された。CBM方式は任意に撮像範囲を設定可能なため、CTスキャン範囲の削減による被ばく低減と検査効率の向上が期待できる。また検出器視野によるオーバーラップが不要であるため体軸方向の感度ムラが少ないという特徴がある。
我々はガイドラインを参考にCBMの性能評価試験を行い、従来のStep and Shoot(SAS)のデータと比較して、当院におけるCBM標準撮影プロトコールを作成した。
また、CBMやSASで撮影した症例の画像、呼吸同期や心電図同期機能を付加した追加撮影の有用性を臨床画像にて評価した。

4.静岡がんセンターにおける定位放射線治療

静岡がんセンター 放射線・陽子線治療センター 富田 哲也

当院における定位放射線治療は主にTrueBeam STxを使用している。非平坦化X線は小照射野かつ大線量投与となるSTIに有用である。さらに、有用性が多く報告されている2.5mm厚のHD120MLCが装備されている。当院の脳定位放射線治療はフレームレス化を実現し、さらに、複数の脳転移腫瘍を1個のアイソセンタで同時照射する治療も開始した。一方、体幹部定位放射線治療は主に肺腫瘍に対する固定多門照射である。腫瘍の呼吸性移動を抑えるための呼吸同期照射や、肺の状態および腫瘍の位置に応じた線種の使い分けを行っている。CT同室リニアックを用いた経験を交えながら、当院における定位放射線治療に対する取り組みを報告したい。

5.TrueBeamのBeam Conformance Option(ビームマッチング)について

静岡がんセンター 放射線・陽子線治療センター 金澤 謙太

近年、放射線治療の役割が急激に増大する中で、装置トラブルによる治療の休止は、治療効果を含め患者さんに多大な影響を与えるおそれがある。万が一装置トラブルが発生した場合、患者さんへの影響を最小限にするための対策が必要と考える。
そのような中で、当センターでは、リニアックの更新作業が完了し、TrueBeamが2台揃う環境となった。今回2台目のTrueBeamを導入するにあたり「Beam Conformance Option」を追加し、これにより3年前に導入した同機種のビーム特性に新規装置を合わせるよう調整を行った。その調整過程と結果について報告する。

更新・確認日:2017年01月11日 [ 履歴 ]
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2017年01月11日 抄録を掲載しました。
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