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【放射線診療技師向け】 2018年

診療放射線技師のための多地点合同カンファレンス[2018-第3回]

(国立がん研究センター 東病院発信)
司会 国立がん研究センター東病院 放射線技術部 副放射線診断技術室長 永井 優一

はじめに

国立がん研究センター東病院 放射線技術部 放射線診断室 青柳 俊

過去の多地点合同カンファレンスにおいて、当院での放射線技術学における教育システムの構築を目的として、がん種ごとに症例を挙げながら発見から治療までの過程を解説してきた。今回は「大腸がん」について現況を学ぶとともに、放射線技術学の視点から、大腸がんの発見から治療までの過程について症例を交えながら解説し、本教育システムの進捗情報も併せて報告する。

1.大腸がん概論

国立がん研究センター東病院 放射線技術部 放射線治療技術室 菅原 光

大腸がんは臓器別の罹患数・死亡数ともに2位と高い順位に位置し、かつその人数も年々増加傾向にある。大腸がんは自覚症状がない場合が多いため、早期発見・早期治療が重要となる。大腸がんの発見には便潜血検査が有効であり、結果が陽性であれば大腸内視鏡検査や画像診断などを行っていく。それらの診断結果を基に治療方法が選択される。大腸がんの主な治療方法として、内視鏡的切除・外科治療・化学療法・放射線治療などが選択される。

2.CT検査

国立がん研究センター東病院 放射線技術部 放射線診断技術室 天野 祥吾

大腸がんに対するCT検査は、術前・術後検査として非常に有効な検査である。また、平成24年に大腸CT検査(CT Colonography: CTC)が保険適応となってからは、各施設でもCTCが積極的に行われている。当院でも昨年より術前検査の一つとしてCTCを施行している。特に直腸がんでは占拠部位や深達度により予定術式が大きく変わることから、術前カンファレンスで情報共有を図り、3D画像作成に反映させている。

3.MRI検査

国立がん研究センター東病院 放射線技術部 放射線診断技術室 田中 麻美

大腸領域のMRI検査は、他の腸管より動きの少ない直腸や肛門疾患の診断に使用される。当院の直腸がんにおける撮像シーケンスは、T2WI,T1WI,DWI,造影後T1WIである。他モダリティと比較してMRIは軟部組織コントラストに優れ、病変の位置、範囲とその深達度、壁外進展や周囲臓器への浸潤、リンパ節・骨転移の評価に役立つ。術前検査では3D-T2を追加撮像する。

4.PET/CT検査

国立がん研究センター東病院 放射線技術部 放射線診断技術室 栁澤 かおり

大腸癌治療ガイドライン(2016)における PET/CT検査の位置付けは、一度に全身評価ができる特徴から、再発部位と検索に有効とされる。治癒切除後の初発再発部位は肝臓、肺が多い。ただし、FDG-PETは糖代謝を利用した機能画像であるため、腸管の生理的集積や炎症性腸疾患にも集積しうる可能性があり、その鑑別には注意が必要である。

5.放射線治療

国立がん研究センター東病院 放射線技術部 放射線治療技術室 菅原 光

大腸がん、主に直腸がんに対する放射線治療は、術後補助療法としての役割を担っており局所制御率向上に寄与している。直腸がん治療の第一選択としては手術が挙げられ、当院の治療方針における放射線治療の割合は5 %程度と少ない。当院での照射方法は3~4門で固定照射を行っている。放射線治療中の有害事象としては、膀胱炎や会陰部の皮膚炎などが懸念され、治療中の患者状態の変化に注意を要する。

6.教育システム(SISHAMOシステム)の進捗情報

国立がん研究センター東病院 放射線技術部 放射線診断技術室 青柳 俊

当院では、電子カルテ端末上で閲覧できる教育システム(SISHAMOシステム)の開発を進めている。この教育システムは、がん種を軸にした各モダリティの放射線技術学を電子ファイル化し、電子カルテネットワークの専用サーバに保存されている。これにより、コンピュータセキュリティを担保しながら、自施設における他のモダリティや他職種の検査をいつでも学習できることが特徴である。今後はさらにがん種を増やすとともに、使用者からの評価を取り入れながら、より良いシステムになるよう開発を進めていく。

更新・確認日:2018年12月21日 [ 履歴 ]
履歴
2018年12月21日 抄録を更新しました。
2018年01月16日 抄録を掲載しました。
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