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首都圏

平成30年度 地域相談支援フォーラム in 東京・神奈川・埼玉・千葉「AYA世代の「い・ろ・は」~いま、なにが必要?考えようAYA世代のサポート~」開催記録

開催日: 2018年11月10日(土) 10:00~16:30(9:30開場)
会場: 千葉商工会議所 第1ホール
主催: 千葉県がん診療連携協議会相談支援専門部会
共催: 国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター
後援: 千葉県、東京都、神奈川県、埼玉県

プログラム

10:00~10:10 オリエンテーション・あいさつ
10:10~11:20 講演1 「AYA世代が抱える問題と支援」
国立国際医療研究センター病院 乳腺腫瘍内科科長 清水千佳子氏
11:20~12:10 グループワーク1 「AYA世代がん患者の相談の実情は」・全体共有
12:10~13:10 昼食休憩
13:10~14:10 講演2 「がんと妊孕性について相談員としての支援は」
亀田メディカルセンター がん生殖医療専門心理士 奈良和子氏
14:10~14:55 グループワーク2 「妊孕性の相談で明日からできそうなこと」・全体共有
14:05~16:15 グループワーク3 「治療後に妊娠を希望している患者への支援」・全体共有
16:15~16:30 閉会あいさつ

概要とあいさつ

当日は、南関東ブロック4都県を中心として、100人を超える相談員(実行委員・ファシリテーター含む)が参加しました。千葉県がんセンターの相談員中村晃子さんの司会で開会しました。
まず、主催者である千葉県がん診療連携協議会山口武人会長より開会のあいさつがありました。山口会長からは、第3期の基本計画の中にAYA世代の対応が盛り込まれていること、その内容を踏まえてこの企画が立てられたこと、就学就労や妊孕性などの相談についてどういう対応をすればよいのか、学んでいただく機会にしてほしいという企画意図が紹介されました。

会場風景写真

当日は、南関東ブロック4都県を中心として、100人を超える相談員(実行委員・ファシリテーター含む)が参加しました。千葉県がんセンターの相談員中村晃子さんの司会で開会しました。
まず、主催者である千葉県がん診療連携協議会山口武人会長より開会のあいさつがありました。山口会長からは、第3期の基本計画の中にAYA世代の対応が盛り込まれていること、その内容を踏まえてこの企画が立てられたこと、就学就労や妊孕性などの相談についてどういう対応をすればよいのか、学んでいただく機会にしてほしいという企画意図が紹介されました。

会場風景写真

講演1「AYA世代が抱える問題と支援」

国立国際医療研究センター病院 乳腺腫瘍内科科長 清水千佳子先生写真

本題に入り、国立国際医療研究センター病院 乳腺腫瘍内科科長 清水千佳子先生より「AYA世代が抱える問題と支援」についての講演がありました。
講演では、まず、年間3~4万人がAYA世代でがんに罹患していると推計されること、AYA世代のがんが多様のため、多くの診療科が関わる必要あること、成人のがん患者さんを診る診療科では、患者さん個人の人生という視点より疾患に関心が行きがちであること、消化器がんなど頻度の高いがんではAYA世代の患者さんは多数の高齢患者さんに“埋もれ”がちであり、ニーズに対して十分に認識されない場合が多いことなどAYA世代の患者さんをとりまく概況について紹介されました。そして「将来の自分のこと」が治療中、治療後を通じて高い関心事であること、これらの課題については必ずしも医療分野だけでは対応できないこと、また、将来の不妊の可能性などについては、がんに罹患した段階では現実感のない、将来の問題について情報提供をしていかなければいけないが、がん治療を行う施設に必ずしも生殖医療の専門医がいるとは限らないことなど、AYA世代のがん患者さんのニーズの特性、それを支える資源をつなぐためのネットワークの必要性について紹介されました。
その実現の形の例として、院内連携、病院間連携、地域ネットワーク、広域ネットワークの例について実例を交えて紹介いただきました。連携は地域の事情を踏まえ、どのような形であってもかまわないが、どこに行けばそのサポートを受けることができるのか、入り口がどこにあるのか患者さんから見えることが大切である、その入り口の1つとして、がん相談支援センターが機能を果たしていくことが重要であろう、第3期のがん対策推進基本計画や新整備指針で取り上げられたことを後押しの材料として、ニーズに応じた連携を生み出してほしいというお話しでした。また、情報提供にあたっては、病気の予後、妊孕性温存により生じるリスクを正しく理解し、判断できるような支援であること、自立・自律に向かう世代の力を活かした支援であることの重要性、医療者は自分の価値観が偏っていないか、考えることが必要であること、そして妊孕性温存そのものが最終目的ではなく、子どものいない人生も含め、子どもをもつことの意味を考えることが大切であるという基本的な姿勢についても触れていただきました。

グループワーク1「AYA世代がん患者の相談の実情は」

清水先生の講演を受けて、15のグループに分かれてどんな相談を受けているのか、どう対応しているのか、対応の難しさについて共有しあう時間がもたれました。患者数が相対的に少ないAYA世代ですが、どのグループでも、実際に自分が受けたAYA世代からの相談の経験が話される場となりました。
全体共有では、どんな相談を受け、どのような点に難しさを感じているのか、また、ディスカッションで話し合われた取り組みの工夫も紹介されました。就労など社会的な課題についてはがん患者さんに特化した支援サービスだけでなく、広く利用可能な資源を活用していくことが有効ではないかとの清水先生のコメントで午前のセッションが終了しました。

講演2「がんと妊孕性について相談員としての支援は」

亀田メディカルセンター がん生殖医療専門心理士 奈良和子先生写真

午後は、「がんと妊孕性について相談員としての支援は」をテーマに亀田メディカルセンター がん生殖医療専門心理士 奈良和子先生の講義で始まりました。
生殖医療が急速に発展したことに伴い、2000年頃からがん治療にあたっての妊孕性の温存の情報提供の必要性が言われるようになったこと、ASCOでは2006年にガイドライン“Fertility preservation for patients with cancer”が出され、国内でも2014年には日本がん・生殖医療学会から「乳がん患者の妊娠出産と生殖医療に関する診療の手引き」、2017年には日本癌治療学会から「妊孕性温存に関する診療ガイドライン」が公開され、その中では医師には説明義務があることが明記されるようになったことが紹介されました。
相談員が妊孕性の温存に関わる情報を提供するにあたっては、主治医との信頼関係を損なわないように留意すること、そのためには挙児希望があることや妊孕性を損なう可能性があるのかについて、患者さん本人が主治医に自分で尋ねるように促すような対応が望まれる、といった具体的な対応のあり方についても示していただきました。また、妊孕性温存のことを知るのは告知されて間もない時期であり、患者さん自身が病やその状況を受け止めきれていないことも多いことから、情報は与えすぎないにする、後で落ち着いて振り返れるように資料を提供すること、早めに生殖医療施設を受診することの必要性をきちんと伝える必要性についても述べられました。
妊孕性温存治療の概要やその治療が可能な医療機関の調べ方を紹介していただいた後、妊孕性温存に関して寄せられる相談の実際について具体的に紹介していただきました。がん生殖医療の相談者の年齢は幅広く、年齢や家庭環境、病状などにより、相談の主体者が変わること、つまり患者さん本人だけでなく、思春期の患者さんであれば両親、夫婦であれば配偶者など、意思決定に関わる人が多様であり、迷いや葛藤の表出そのものが重要なプロセスでもあること、また、親と子、夫と妻それぞれを個別に面接する、何か聞きたそう、という雰囲気を察知したときに声をかけるといった細やかな配慮の重要さを具体的な事例を交えてお話しいただきました。
そして、妊娠性温存の意思決定をするには、エビデンス情報とナラティブ情報の両方が必要であること、諦めるという経験のポジティブな面についても紹介していただきました。そして、生殖医療には諦めるという選択をした後には支援の場がないことから、諦めるという選択をした患者さんの支援、気持ちを整理する場としてがん相談支援センターが役割を果たしてほしいという期待が述べられました。

グループワーク2「妊孕性の相談で明日からできそうなこと」・グループワーク3「治療後に妊娠を希望している患者への支援」

グループワーク風景写真

奈良先生の講義を受けて「明日からできること」についてグループで意見を出し合う時間がもたれました。ニーズがあることを想定して言葉をかけていきたい、諦めざるを得なかった経験は周囲ともなかなか共有しづらいだろう、そこにもがん相談支援センターの役割があることも認識し、相談対応していきたい、といった意見が発表されました。
最後のグループワークでは、妊孕温存を希望する2つの事例についてどのような支援をするかを考えるワークが行われました。検討内容の共有では、個々のグループのアセスメントのポイントに基づく支援の方向性に加え、長期的な視点で計画を立てること、相談者の覚悟に寄り添い、安心して相談できる場所であることを伝えることなどを含む支援計画が報告されました。
奈良先生からは正確な情報を提供すること、知識をアップデートすること、情報の提供にあたっては手元に残る資料を共に提供することの重要性を指摘していただきました。

閉会あいさつ

最後に若尾センター長から、本日の講演やディスカッションの内容ははじめて知る内容も多い、充実したものであった、という感想が述べられ、今日得た知識や資料を相談支援センター内、院内のスタッフと共有してほしいという終わりのあいさつで閉会となりました。

若尾センター長写真
更新・確認日:2018年11月20日 [ 履歴 ]
履歴
2018年11月20日 掲載しました。
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