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東海・北陸

平成27年度 みのりカフェ@三重 開催報告

(1)みのりカフェ@いせ
開催日時:2015年10月16日(金) 18:30~20:30
場所:伊勢赤十字病院1F 多目的ホール やまだ

(2)みのりカフェ@津
開催日時:2015年12月11日(金) 18:30~20:30
場所:三重大学医学部附属病院 外来棟5階大ホール

(3)みのりカフェ@よっかいち
開催日時:2016年2月12日(金) 18:30~20:30
場所:市立四日市病院 2階 講堂

主催: 三重県がん診療連携協議会がん相談支援部会
共催: 国立がん研究センターがん対策情報センター
南勢地域緩和ケアネットワーク
三重大学がんセンター
協賛: 住友生命保険相互会社

本PRイベントの企画について

この「がん相談支援センターPRのイベント」は、国立がん研究センターがん対策情報センターが、地域のニーズに合致したより効果的な広報・周知活動を支援することを目的として、平成27年度「がん相談支援センターを地域の支援の輪につなげる新企画」の公募を行った結果採択された三重県がん診療連携協議会がん相談支援部会による企画です。三重県がん診療連携協議会がん相談支援部会が企画した、ワールドカフェ方式による「みのりカフェ」は、南北に長い三重県内の皆さんに参加していただけるよう、南勢(伊勢市)、中勢(津市)、北勢(四日市市)の3会場で実施されます。

みのりカフェ@いせ

初回の開催となった伊勢市には、60人を超える医療福祉の各分野でがん患者さんを支える多様な職種の皆さんが集まりました。この日は、平日の夕方、仕事を終えてかけつけた地域の診療所、薬局、訪問看護ステーション、訪問介護事業所、病院等さまざまな場所で働く人たちが集まりました。参加者の職種もがん相談支援センターの相談員、医師、薬剤師、看護師、ソーシャルワーカー、ケアマネジャーなど多岐にわたりました。また、カフェマスターやウエーター(ファシリテーター)を担当するがん相談支援センターの相談員たちは、おそろいの黒エプロンを身に付け、カフェさながらの雰囲気でお迎えしました。

みのりカフェ@いせ風景

まず、参加者がお茶とお菓子を受けとり、テーブルに着くと、みのりカフェの始まりです。カフェマスター山口美乃里さん(伊勢赤十字病院)からの会場の案内のあと、鈴木貴子さん(伊勢赤十字病院)によるがん相談支援センターの紹介から始まりました。

がん相談支援センターが患者さん、家族からの相談だけでなく、地域の方や医療者からの相談も受けていること、がんに関わる幅広い事柄について、なんでもご相談いただきたいことが紹介されました。また、三重県のがん対策推進基本計画や、三重県内のがん相談支援センターがどこにあり、また各センターで患者さんのためのサロンやサポートの活動について県内の具体的な活動についても触れられ、参加者の皆さんはうなずきながら耳を傾けていました。

そして、再びカフェマスターの山口さんからみのりカフェの進め方が紹介され、各テーブルで「お話の時間1」が始まりました。
ウエーター役の相談員が各テーブルのもてなし係りを務め、皆さんコーヒーや紅茶、お菓子をつまみながら「支援の輪」をテーマにした自由な話し合いの時間となりました。各テーブルで出される話題はさまざまながらも、患者さんや家族の生活を支える上で、多様な組織の多様な人がそれぞれの役割を果たしていくことの重要さ、それぞれの立場からみる患者さんの生活の多様さ、地域の機関の具体的な仕組みなど、これまで顔を見知っていてもなかなか具体的に話す機会がなかったような話題が、日常の具体例とともに話され、それぞれの立場からのコメントで深められていきました。「同じ職種であっても病院で働く場面でみえている患者さんの姿と、自宅に戻った患者さんを支える地域の診療所からみえる姿は違う」「患者さんや家族からみて誰に話しやすいかは内容によって違う、病院の診察場面で話すこととがん相談支援センターで話すこと、地域の薬局で話すことは違って当然」、といった多様な参加者が集まったからこその視点の違いが話し合われている様子がうかがえました。また、こんな場合にはどうする? といった、具体例を挙げる中で、それぞれの組織の活動の特徴やできることの範囲について「ここは役割分担をしながら協力できそうだね」、といった話し合いがなされるテーブルもありました。

みのりカフェ@いせ風景
お話しの時間2 風景

「お話の時間2」では席替えを行い、各テーブルで話し合った内容はほかのテーブルのメンバーと共有され、それぞれの内容について違う視点からのコメントが寄せられ、「支援の輪」のとらえ方がより深められました。その後、「お話の時間3」では元のテーブルに戻り、ほかのテーブルのメンバーと語り合ったコメントを共有する時間が持たれました。

それぞれのみのりを「収穫」し、会場全体で共有する場面では、「病院の中にいると気が付かなかったが、地域に支援の輪ができていていることを知り、患者さんが帰っていける環境ができていることがわかった」「地域の薬剤師さん、病棟の看護師等々、誰から声をかけてもいい、だから誰かがやってくれるだろうと思うのではなく、気が付いたときに声をかけていくことが必要だと実感した」「互いに自分ができることをもっとアピールし、互いに知っていくことでより協力し合えるようになると感じた」「いろいろな組織、職種の人たちと話し合う中で、必ず解決に向けた突破口がみつけられるというパワーを感じることができた」といった感想が分かち合われました。

特段の結論を目指す話し合いではなく、自由なお話の中で、互いの役割や思いを共有する時間となり、相談員だけではなく、また病院スタッフだけではない多様な職種の皆さんが参加しての場であったからこその豊かなみのりが収穫される会となりました。

みのりカフェ@津

中村喜美子さん(三重大学医学部附属病院)

二度目の開催となった「みのりカフェ@津」は、都道府県がん診療連携拠点病院である三重大学医学部附属病院を会場に行われました。約50人の医療福祉関係者が集い、この日もカフェマスター、ウエーター役の相談員は蝶ネクタイや黒いエプロンでお迎えしました

上:内田恵一センター長(三重大学医学部附属病院医療福祉支援センター)、下:国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長

この日のカフェマスター・中村喜美子さん(三重大学医学部附属病院)の司会で開会し、まず内田恵一センター長(三重大学医学部附属病院医療福祉支援センター)から、「フランスのカフェをイメージしたこの場において支援の輪を広げていただきたい」という挨拶がありました。続いて、共催者である国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長から、昨年度に行われた調査結果を見ると、がん相談支援センターを利用した患者さんの満足度は高かったが、まだ十分には知られていないこと、認知度の向上のために募集したこの企画に期待していること、また1年半後に策定が予定されている第3期のがん対策推進基本計画においても、がん医療と福祉分野との連携が想定されていることなどが紹介されました。

鈴木志保子さん(三重大学医学部附属病院)

第一部では、がん相談支援センターを代表して、鈴木志保子さん(三重大学医学部附属病院)から、三重県のがん相談支援の体制やがん相談支援センターについて紹介されました。がん相談支援センターが誰でも利用できる場であること、中勢地域のがん相談支援センターに設けられている患者サロンについて具体的に紹介されました。また、今回の企画に合わせて作成された「三重県内がん相談支援センターのご案内」も紹介され、参加者全員に配布されました。

みのりカフェ@津風景

そしていよいよ第二部「みのりカフェ」です。カフェマスターの中村さんからワールドカフェ形式での進め方と約束事が紹介されました。そして、「みのりカフェ」は、多くの方に意見交換をしていただいた中で1つでも多くの“みのり”を収穫していただきたい、という願いをこめて「みのりカフェ」と名づけたことが紹介されました。

そして最初の「話し合いの時間1」が始まると、さまざまな職種が集まった場ならでは話し合いが行われました。テーブルごとに話題はさまざまでしたが、単身世帯・高齢者世帯の増加などの社会の変化の中で、「『その人らしい最期の時間』を支えるためにはどんなことができるのか、医療福祉の専門職が先入観を捨てることが大事ではないか」「高齢者だけの世帯での服薬管理をどのように支援できるのか」といった、医療と福祉の連携がよりいっそう必要となる場面について語られているテーブルも目立ちました。

みのりカフェ@津風景

席替えをしての「話し合いの時間2」、再び元のグループに戻った「話し合いの時間3」を経て、各テーブルでのみのりの収穫が報告されました。
「普段はなかなか見ることができない退院後の患者さんの生活を今日の話し合いの中で聴くことができた」「他の専門職に互いに遠慮があることもわかり、今後は遠慮せずに声をかけていきたいと思う」「それぞれの職種の人たちがそれぞれに一生懸命やっていることを実感でき、励まされた」「在宅を支える薬剤師さんの役割を知り、多職種で支えていくことの大切さを実感できた」「今日出会った人たちが自分の社会資源だと感じる」といった報告がありました。

中瀬一則がんセンター長(三重大学医学部附属病院)

最後に、中瀬一則がんセンター長(三重大学医学部附属病院)より、がん対策の3つの目標のうち「すべてのがん患者さんと家族の苦痛の軽減」「がんになっても安心できる社会の構築」を支えるのは、今日この場に集まったわれわれであり、このつながりを大切に今後も取り組んでいきたい、という挨拶があり、大きな拍手で閉会しました。

みのりカフェ@よっかいち

吉川晴子さん(市立四日市病院)

3回シリーズを締めくくる開催は北勢地域「みのりカフェ@よっかいち」、市立四日市病院で開催されました。この日は吉川晴子さん(市立四日市病院)がカフェマスターとなり、ウエーター姿の相談員とともに皆さんをお迎えしました。

若尾文彦センター長(国立がん研究センターがん対策情報センター)

開会にあたり、若尾文彦センター長(国立がん研究センターがん対策情報センター)から、この「みのりカフェ」が三重県がん診療連携協議会からの手上げによる企画であり、これまでに伊勢、津で開催されたこと、四日市ではすでに地域の医療福祉関係者の皆さんとのつながりがあると聞いているが、あらためてがん相談支援センターを知っていただき、今後の地域での支援に役立てていただきたいという期待が述べられました。また、この企画を全国の好事例の1つとして、全国に広げていきたいと考えているとのあいさつがありました。

藪下茂樹さん(鈴鹿中央総合病院)

第一部では、藪下茂樹さん(鈴鹿中央総合病院)からがん相談支援センターについて紹介されました。三重のがん対策推進基本計画にも沿いながら、がん相談支援センターでは科学的な根拠と実践に基づいた信頼できる情報を提供し、その人らしい生活や治療選択ができるように支援を行っていること、若年のがん患者さんも多いことから、就労支援にも力を入れていること、がん患者さんが集うがんサロンも多数開催されていることなどが紹介されました。また、患者さんやご家族の気持ちに寄り添い、意思決定を支えることを重視しており、患者さんやご家族の「大切にしたいこと」を最大限尊重し、関係職種の皆さんとともにその人の社会生活を支えていきたいと考えていること、そのために今日のみのりカフェでの皆さんとのつながりを大切にしながら明日以降の実践に取り組みたいと考えているという呼びかけがありました。

「みのりカフェ」風景

第二部に移り、カフェマスターの吉川さんからこの日の「みのりカフェ」が、カフェにいるときのようにくつろいだ気分で、コーヒーやお茶を飲みながら気分や思いを自由に話し合う場であることが紹介され、「支援の輪」についての語りが各テーブルで始まりました。

二度の席替えを経た充実した語り合いのあと、この日の「みのり」の収穫の時間です。「在宅を支えるには、病院と在宅を支援する人、双方が互いに知っていないとできない、だから今日情報交換できたことはとても有意義だった」「これまでほかの職種の人と話す機会があるようでなかった、今日はとても貴重な時間だった」「在宅の立場からは、自分たちが受けた患者さんのことを病院のスタッフにも伝え、自分たちのことも知っていただく努力を続けないといけないとあらためて感じた」「何かトラブルが起こる前に互いが連携し、患者さんを支えられるような顔のみえる関係づくりが大切だと思う」「支援に携わるスタッフもがん相談支援センターに相談できることが分かったのでぜひ今後利用しようと思う」といったみのりが報告されました。

「みのりカフェ」風景

はじめて顔を合わせたときにはやや緊張した表情の方もみられた会の始まりでしたが、お話の時間・共有の時間に参加者の皆さんもすっかりリラックスした笑顔になった和やかな場となり、今後の情報交換を約束しながら会場をあとにされました。

「みのりカフェ」風景

資料
みのりカフェ@いせ
みのりカフェ@津
みのりカフェ@よっかいち

更新・確認日:2016年02月26日 [ 履歴 ]
履歴
2016年02月26日 みのりカフェ@よっかいちの報告を掲載しました。
2015年12月21日 みのりカフェ@津の報告を掲載しました。
2015年10月27日 みのりカフェ@いせの報告を掲載しました。
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