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小児がん中央機関アドバイザリーボード 開催記録

第3回小児がん中央機関アドバイザリーボード概要

平成29年1月25日、第3回小児がん中央機関アドバイザリーボードが国立成育医療研究センターにて開催され、小児がん中央機関アドバイザリーボード委員、厚生労働省健康局がん・疾病対策課、小児がん中央機関が参加した(出席者名簿)。
開会にあたり、まず国立成育医療研究センターの五十嵐隆理事長より挨拶があり、続いて厚生労働省健康局がん対策・健康増進課の渡辺真俊課長より挨拶があった。

小児がん拠点病院のあり方と中央機関の役割

松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)から資料の説明が行われ、中央機関の役割について報告がされた(資料1)。
意見は以下のとおりである。

  • 長期フォローアップ体制の整備については、小児病院/小児科だけでなく、成人の内分泌や循環器などの疾患の診療科との連携が必要である。
  • 長期フォローアップのためには、患者自身が自分の病歴を知り、自立して診療に向かうことが必要である。その啓発を行い、全体を指揮することでフォローアップを行うことが望ましい。
  • 患者の診療記録を保持し、患者自身がアクセスできるようなデータセンターを構築することを考えている。5年以内の運用開始を目途としている。
  • 長期フォローアップについては各拠点病院を視察した成果も踏まえ、研修を整備し、各拠点病院のサポートを行う。
  • Quality indicatorを用いた小児がん拠点病院の質の評価については、厚労科学研究費による研究の報告書として公開される。評価については、地域的な特性を踏まえることが必要である。
  • 特に脳腫瘍では年間に1-2例の診療数の施設がある。そのような診療症例数が少ない施設で診療を行うことは、いい医療を提供するためには望ましくないと考える。
  • AYA世代のがんについて、患者のニーズを把握する班研究が行われている。

小児がん中央機関の行うべき業務

相談・支援について

鈴木彩医療社会事業専門員(国立成育医療研究センター)から資料の説明が行われ、相談支援事業の進捗について報告された(資料2-1-1資料2-1-2資料2-1-3資料2-1-4資料2-1-5)。
続いて、菱木知郎医長(国立成育医療研究センター腫瘍外科)から資料の説明が行われ、ホットラインの設置準備状況について報告された(資料2-2)。
意見は以下のとおりである。

  • ホットラインの相談については、情報の錯そうが患者にとっては困るため、信頼度の高い情報を提供することが望まれている。
  • ホットラインはどのような相談でも受けるが、内容に応じて適切な担当者にトリアージする。
  • ピアサポートとの連携について、施設ごとに相談支援センターができているというところはまだ多くなく、がんの子どもを守る会の支部を紹介する、というのが現状であるが、施設ごとのピアサポート体制ができるように伝えていく。

情報提供について

若尾文彦センター長(国立がん研究センターがん対策情報センター)から資料の説明が行われ、国立がん研究センターでの情報提供事業について報告された(資料3-1)。
また、富澤大輔医長(国立成育医療研究センター小児がんセンター血液腫瘍科)から資料の説明が行われ、国立成育医療研究センターの情報提供について報告された(資料3-2)。
意見は以下のとおりである。

  • 診療提供体制のあり方検討会で、数が一桁の疾患についての情報公開をどのようにするか検討がなされている途中であるが、患者にとっては貴重な情報であり、公開が望ましい。
  • 疾患情報の冊子の作成について、やはり手元にあることが必要ではないかと考える。HPの更新をより頻繁に行うことを優先し、がんの子どもを守る会と連携してリソースを共有する。

診断支援について

清河信敬部長(国立成育医療研究センター小児血液・腫瘍部)から資料の説明が行われ、診断支援の進捗について報告がされた(資料4-1)。
続いて、宮嵜治医長(国立成育医療研究センター放射線診療部)から資料の説明が行われ、画像診断件数について報告がされた(資料4-2)。
最後に、義岡孝子部長(国立成育医療研究センター病理診断部・病理診断科)から資料の説明が行われ、病理診断について報告がされた(資料4-3)。
意見は以下のとおりである。

  • 中央診断などの診断支援にかかる費用については、診療報酬にはまだ反映されておらず、人件費や消耗品などは研究費で賄っている点が問題であろう。分子診断を含めた中央診断は、正確な診断をするためには必須であり、治療成績の向上に大きく貢献している。検査を受託するような仕組みにつなげたい。
  • 施設の病理医と診療医を含めて連携を深めることが必要である。中央診断と施設診断との食い違いは把握できておらず、今後の課題である。
  • 脳腫瘍や卵巣腫瘍、リンパ腫などについては、病理学会を経由して成人のエキスパートを中央診断パネルに加わっていただいている。国立がん研究センターの診断支援リソースも有効活用し、効率的に進める。

人材育成について

富澤大輔医長(国立成育医療研究センター小児がんセンター血液腫瘍科)から資料の説明が行われ、人材育成について報告された(資料5-1資料5-1-1資料5-1-2資料5-1-3、資料5-2資料5-3)。
また、柴田映子看護師(国立成育医療研究センター看護部)から資料の説明が行われ、看護部門の人材育成について報告された(資料5-4-1資料5-4-2資料5-4-3)。

研究支援と小児がん登録について

瀧本哲也室長(国立成育医療研究センターデータ管理部小児がん登録室)から資料の説明が行われ、小児がん登録について報告された(資料6 )。
意見は以下のとおりである。

  • 造血器腫瘍の登録や国立がん研究センターの登録情報とも連携/統合を進めていくことを考えている。
  • 登録に関する現場の負担を減らすために、CRCなどが入力可能な項目を基本とし、連結できるデータベースとする。院内がん登録を目次として利用するなど、効率的な枠組みとする。
  • 登録の意義を医師ならびに一般の方に周知することが必要だろう。
  • がん登録法の成立に際しても、個人情報保護法の観点から疑念が生じたが、がん経験者からの強い要望で成立した経緯がある。意義を理解して、ぜひ進めていただきたい。

総合討論

  • 15の拠点病院が中心となった集約化について、各ブロックの集約化の状況を集計し、ブロックの中の複数の拠点病院と診療病院がどのように担当を分けるのか把握して、今後の方向を探索したい。特に脳腫瘍・骨腫瘍などについては、疾患特異的なモデルを提示したい。
  • これらの中央機関/拠点病院の活動が、各現場の病院にどのような効果がもたらされているか示して、今後の展開につなげる。
  • 中央機関として、拠点病院のレベルではできないような規模の新規の取り組みを進めていただきたい。
  • これらの活動のための財源は不十分である。やはり、診療報酬に反映させることなどの対策が必要である。拠点病院の評価が過小になっていることが懸念される。ぜひ希少がんのモデルとして小児がんに対する体制をご検討いただきたい。
  • 医療が進んだことは実感しているが、医療関係者が教育のことをよりよく知ってほしい。socialな面での充実を目指すために、教育について医療者のより広い理解を求めたい。生活の楽しみも追求し、いい治療環境を提供できるように目指している。
  • CLSについては、国内での資格取得者の人数がわずかである。CLSに相当する職種を教育し、日本国内で育成できる国家資格にしなければならない。CLSの雇用を診療報酬に反映させることも重要である。CLSを正しく役割分担させることで負担の少ないいい医療につながる。
更新・確認日:2017年04月10日 [ 履歴 ]
履歴
2017年04月10日 「第3回小児がん中央機関アドバイザリーボード概要」を掲載しました。
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