概要
令和3年7月9日、国立がん研究センターが主催する第14回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がオンライン形式にて開催された(議事次第)。全国の都道府県がん診療連携拠点病院の施設の代表者と、各都道府県のがん対策関連部署の職員等が参加した。また、オブザーバーとして、国立成育医療研究センターにご参加いただいた。
開会にあたり、国立がん研究センターの中釜斉理事長より、「コロナ禍で多くの医療機関が大変な苦労をしている状況のなか、がん患者が安心してがん医療を受けることができる体制を提供できるよう、都道府県がん診療連携拠点病院が互いに情報を発信し課題に取り組むべきであると考える。また、がんゲノム医療などの新しい技術のエビデンスを構築し、適切に情報提供を行っていくことも重要である。さらには、がん医療の向上により生存率が改善するなか、がんとの共生をどのように実現していくかについても大きなテーマである。今後どのようなかたちでがん医療を提供できるか議論を深めていきたい」との挨拶があった。
来賓として、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の成田幸太郎課長補佐より、「がん対策推進協議会では、現在第三期がん対策推進基本計画の中間評価に関する議論を行っている。中間評価にとどまらず、次の第四期がん対策推進基本計画に向けた新たな議題や必要な取組についても検討していくため、積極的にご意見をいただきたい。また、令和3年度より開始となった小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業において、患者が円滑に事業参加できるよう、情報提供や相談支援についてご協力いただきたい」とのご挨拶をいただいた。
議事について、がん登録部会(資料1)、情報提供・相談支援部会(資料2)、緩和ケア部会(資料3)より、それぞれ活動報告があった。がん登録部会での質疑では、院内がん登録全国集計データの利用に関する体制整備について、今後、厚生科学審議会がん登録部会での検討等を踏まえて、データの利用ができるよう準備をすすめていると報告があった。情報提供・相談支援部会での質疑では、⼩児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業の相談支援について、各都道府県や医療機関の状況に応じて説明会等の情報提供を行っていくと厚生労働省よりご回答いただいた。
続いて、議事4、5をあわせたかたちで、がん診療連携拠点病院等の実態および指定要件について、課題や要望などに関する意見交換が行われた。今後、本連絡協議会から指定要件について提案をしていくことができるよう、議論を継続していくこととされた。
最後に、国立がん研究センターの若尾文彦がん対策情報センター長より閉会の挨拶があり、本会の幕を閉じた。
資料
第14回 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会 次第
日時 令和3年7月9日(金) 13:00-15:00
於 オンライン形式
主催 国立がん研究センター
Ⅰ.開会挨拶(敬称略)
国立がん研究センター理事長 中釜 斉
Ⅱ.来賓挨拶
厚生労働省 健康局がん・疾病対策課 成田 幸太郎