平成21年7月3日、国立がんセンターが主催する第2回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会が三田共用会議所で開催された。これまでに指定されている全国の51の都道府県がん診療連携拠点病院と都道府県がん対策主管課代表者が参加した。
開会にあたり、厚生労働省の上田博三健康局長から、「「がん医療の均てん化の促進」については、各都道府県内におけるがん医療の中心的な役割を担う、都道府県がん診療連携拠点病院のお力によるところが非常に大きい」との来賓あいさつがあった。
まず、国立がんセンター側から平成20年度の活動報告と平成21年度の活動計画について説明(資料1-1)を行い、その後、事前に行ったアンケート調査で質問・要望があった事項に対する回答や説明(資料1-2)を、それぞれの担当部課長が行った。また、厚生労働省から、各種調査への協力要請(資料2-1)があり、がん専門医臨床研修モデル事業(がん医療水準の均てん化を推進するため、都道府県がん診療連携拠点病院において、がん専門医を育成するための体制を構築するためのモデル事業)に関する説明(資料2-2)がされた。
さらに、事前アンケート調査で要望が多かった3つの議題(緩和ケア研修会・地域連携クリティカルパス・院内がん登録)について、意見交換を行った。緩和ケア研修会については、筑波大学大学院人間総合科学研究科 木澤義之先生(資料3-1、資料3-2)、筑波メディカルセンター病院・茨城県地域がんセンター緩和医療科志真泰夫先生(資料3-3)、茨城県保健福祉部保健予防課総合がん対策グループ 小林奈美先生(資料3-4)より、それぞれ活動紹介に関するプレゼンテーションがあった。地域連携クリティカルパスについては、独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター統括診療部谷水正人先生より、厚生科学研究における取り組み状況について、説明があった(資料4)。また、院内がん登録については、国立がんセンターがん対策情報センター情報・統計部 祖父江友孝部長より腫瘍データ収集調査報告書の紹介(資料5-1)と、今後の公表手順の提案(資料5-2)があり、8月に調査報告書(概報・速報版)をWeb公開し、最終的なデータ検証と修正をした後、 10月に正式の調査報告書を各拠点病院に送付する予定であると報告があった。それぞれの活動紹介や進捗説明・提案について、出席者全員で活発な質疑応答が行われ、関係者から多岐にわたる意見が述べられた。
今後とも、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会を通じて、全国のがん診療連携拠点病院の機能強化やすべてのがん診療連携拠点病院間の連携強化について協議していく予定である。
資料
資料1-1 がん対策情報センターにおける各機能等の取組状況と今後の取組スケジュール 資料1-2 都道府県がん診療連携拠点病院に対するアンケート結果 資料2-1 がん診療連携拠点病院に対する各種調査等について 資料2-2 がん専門医臨床研修モデル事業 資料3-1 緩和ケア研修会について 資料3-2 緩和ケア研修会開催の手引き 資料3-3 茨城県における緩和ケア研修会の開催 その準備と運営 資料3-4 茨城県緩和ケア研修会の御案内 資料4 5大がん地域連携クリティカルパスモデル開発の現況 資料5-1 2007 年症例 腫瘍データ収集調査 平成20(2008)年度実施 調査報告(概数・速報版) 資料5-2 腫瘍データ収集調査報告書の公表手順(案)と今後の調査予定について