概要
令和6年7月11日、国立がん研究センターがん対策研究所が主催する第17回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会（以下、「国協議会」）がオンライン形式にて開催された（議事次第）。全国の都道府県がん診療連携拠点病院の施設の代表者、各都道府県のがん対策関連部署の職員等292名が参加した。
開会にあたり、国立がん研究センター 中釜斉理事長より、「だれ一人取り残さないがん医療の実現のため、がん診療連携拠点病院体制は益々重要になっている。さらに連携強化と新しい医療の取り組みに向けて拠点病院間の有機的なつながりを実現できるよう本日の国協議を有効に活かしてほしい」との挨拶があった。
来賓として、厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課 九十九悠太 がん対策推進官より「昨年3月に第４期がん対策推進基本計画を定め、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生、すべての国民のがん克服を国の取り組みとして進めており、この国協議会を通してさらに患者及び国民を取り巻く様々な環境がより一層良くなっていくことを期待している」とのご挨拶をいただいた。
議事として、厚生労働省 健康・生活衛生局 がん・疾病対策課 九十九悠太 がん対策推進官より（資料1）、がん診療連携拠点病院等の整備指針改定に関する過去5回の改定の経緯について説明した上で、今後、がん対策推進基本計画見直しと整備指針見直しのサイクルを連動させ政策的に一体性を持ったがん医療体制を整えていくことが報告された。がん登録部会から（資料2）、がん登録事業と病院予後調査支援事業、そして研修認定事業が報告され、情報提供・相談支援部会から（資料3）、部会活動報告と今後の部会としての取組と国協議会の開催形式に関する意見が報告され、緩和ケア部会から（資料4）、部会活動報告と研修のスケジュールについて報告がされた。
岐阜大学医学部附属病院成育医療センターの古井辰郎先生より（資料5）、AYA世代妊孕性温存事業都道府県レベルにおけるネットワーク構築として、⼩児・AYA世代がん等患者に対する医療連携の特殊性、⼩児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業、地域がん・⽣殖医療ネットワークの現状、⽇本がん・⽣殖医療学会(JSFP)による地域ネットワーク相互⽀援体制Oncofertility Consortium Japan(OCJpn)についてご発表があった。
続いて、国立がん研究センター研究支援センターの柴田大朗先生より（資料6）、臨床研究実施状況に係わる情報と研究結果に係わる情報の活用促進について、臨床試験登録ID（jRCT ID）で管理するメリットを含めたご発表があった。多様な研究成果の活用事例として、近年の効果的に活用され始めた実例も報告された。
事務局からの提案として（資料7）、国協議会・部会が形骸化している問題に触れながら、国協議会および部会の今後のあり方、将来的な国協議会の取り組み案について報告された。
国立がん研究センター がん対策研究所 松岡豊部長より、今後の国協議会の活動については参加者皆様の声を反映させて、より良い運営を展開していくため引き続きのご協力をお願いしたい旨、閉会の挨拶があり、本会の幕を閉じた。
資料
第17回 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会 議事次第
日時：令和6年7月11日（木）13-15時
於：オンライン開催
主催 国立がん研究センターがん対策研究所