概要
令和2年11月5日、国立がん研究センターが主催する第13回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会が開催された(議事次第)。今年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、本会初のオンライン形式での開催となった。全国の都道府県がん診療連携拠点病院の施設の代表者と、各都道府県のがん対策関連部署の職員等が参加した。
開会にあたり、国立がん研究センターの中釜斉理事長より、「第三期がん対策推進基本計画の中間評価、そしてそれを踏まえての第四期がん対策推進基本計画に向けてがん医療の課題を明らかにし、どのような改善が可能なのかについて議論を深めていく必要がある。また、現在の新型コロナウイルス感染拡大により多くの医療機関がたくさんの苦労をしている状況のなか、課題を共有しながら、各施設の取り組みを紹介し、このような状況でどのようながん医療の提供が可能なのかについて議論していきたい」との挨拶があった。
来賓として、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の岩佐景一郎がん対策推進官より、「新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、がん診療連携拠点病院の現況報告の方法等について現場の負担を軽減できるよう対応しているところであるが、今後の状況に応じてご協力を引き続き賜りたい。また、がん診療連携拠点病院の整備指針についても平成30年に改定して以降、新たな課題なども現れており、今後の見直しに向けてがん医療のあり方などについて積極的にご意見をいただきたい。」とのご挨拶をいただいた。
議事について、まず、厚生労働省健康局がん・疾病対策課、労働基準局安全衛生部労働衛生課からの情報提供として、がん患者・経験者の治療と仕事の両立支援策の現状について説明があった(資料1-1)。また、厚生労働省健康局がん・疾病対策課より、第3期がん対策推進基本計画の中間評価の今後の予定について説明があった(資料1-2)。
次に、がん登録部会(資料2(2020年11月25日更新))、情報提供・相談支援部会(資料3)、緩和ケア部会(資料4)より、それぞれ活動報告があった。
続いて、がん診療連携拠点病院の指定要件の見直しについての意見交換が行われた。まず事務局より、事前アンケートの結果(資料5)について説明した後、がん診療連携拠点病院の機能や指定のあり方などについて意見交換を行った。今後、本連絡協議会から提案をしていくことができるよう、引き続き議論を継続していくこととされた。
次に、新型コロナウイルス感染症流行下での都道府県における活動について、京都大学大学院医学研究科の武藤学先生からご発表いただいた。京都府における新型コロナウイルス感染拡大下でのがん診療連携の取り組みについて、京都府がん医療戦略推進会議外来化学療法部会・緩和ケア部会にて定期的なWEB会議を重ね、新型コロナウイルス感染症の流行下におけるホスピス緩和ケア病棟と病病・病診連携についてのコンセンサスを発出するまでの詳細な経過についてご紹介いただいた(資料6-2)。
続いて、鳥取大学医学部附属病院がん相談支援センターの吉岡奏先生よりご発表いただいた。鳥取県がん診療連携協議会相談支援部会の取り組みについて、コロナ禍においても安心してがん医療を受けることができる環境づくり、継続的な情報提供と普及啓発活動についてご紹介いただいた(資料6-1)。
その後、新型コロナウイルス感染症流行下での都道府県における活動に関する意見交換として、事前アンケート「都道府県がん診療連携拠点病院連携協議会の運営・活動状況について」、追加アンケート「他の都道府県に聞きたいことや議論したいこと」について、事務局より説明を行った(資料6-3)。
続いて、都道府県がん診療連携拠点病院からの事前アンケートの結果として、都道府県レベルでのがん診療の質の向上を目指したPDCAサイクル確保の取り組み、都道府県内のがん医療に携わる医療者の研修・人材育成などについて、事務局より説明を行った(資料7)。
最後に、国立がん研究センターの若尾文彦がん対策情報センター長より閉会の挨拶があり、本会の幕を閉じた。
資料
第13回 都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会 次第
日時 令和2年11月5日(木) 13:00-16:00
於 オンライン形式
主催 国立がん研究センター
Ⅰ.開会挨拶
国立がん研究センター理事長 中釜 斉
Ⅱ.来賓挨拶
厚生労働省 健康局がん・疾病対策課 がん対策推進官 岩佐景一郎
Ⅲ.議事
1. 厚生労働省からの連絡・伝達事項
厚生労働省 健康局がん・疾病対策課
労働基準局安全衛生部労働衛生課
2. がん登録部会からの報告、患者体験調査についての報告
がん対策情報センターがん登録センター長 東 尚弘
資料2(2020年11月25日更新)
3. 情報提供・相談支援部会からの報告
がん対策情報センターがん情報提供部長 髙山 智子
4. 緩和ケア部会からの報告、遺族調査についての報告
がん対策情報センターがん医療支援部長 加藤 雅志
5. がん診療連携拠点病院等の指定要件の見直しに関する意見交換
6. 新型コロナウイルス感染症流行下での都道府県における活動
6-1. 鳥取県からの報告「新型コロナウィルス感染対策下におけるがん相談」
鳥取大学医学部附属病院 がんセンター 吉岡 奏
資料6-1
6-2. 京都府からの報告「京大病院における新型コロナウイルス感染症拡大下でのがん診療連携の取り組み」
京都大学大学院医学研究科 腫瘍薬物治療学講座 武藤 学
資料6-2
6-3. 新型コロナウイルス感染症流行下での都道府県における活動に関する意見交換
資料6-3