- 日時
- 2025年09月25日(木)17:30~18:30
- テーマ
- 周術期がん患者への取り組み
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター
呼吸器外科 部長 清嶋 護之
がん患者の高齢化が進み、多くの併存疾患をもつ患者を対象とした手術が増加しています。また医療経済的には入院期間の短縮が迫られており、リスクを事前に評価し合併症予防を行う周術期管理の重要性が増しています。周術期管理では複数の診療科や多くの職種が協力し、効率よく対応を行う必要があります。
今回のカンファレンスでは運動、栄養、口腔管理などの観点より周術期がん患者への取り組みについてお話しし頂き、課題について検討します。
1. 多職種連携による周術期肺がん患者へのリハビリテーションの取り組み
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター リハビリテーション技術科 主任 篠原 悠
近年、がん患者の身体活動量は生存率やQOLに影響することが明らかとなり、その重要性が認識されています。特に周術期では、術前から活動量が低下していることや、術後の入院期間短縮に伴い身体活動量の回復が遅れ、合併症やQOL低下が懸念されています。当院では2020年より、周術期肺がん患者の身体活動量とQOLに関する調査や身体活動量向上の取り組みを行なっています。今回、その成果や課題について報告します。
2. 肝胆膵外科領域における周術期自主リハビリプログラム ‘歩こうプロジェクト’導入の取り組み
がん・感染症センター 都立駒込病院 肝胆膵外科 医長 冲永 裕子
プレハビリテーションを含むがん周術期リハビリテーションは、当院ではマンパワーの問題があり長年導入が困難な課題でありました。私達は、2024年6月に多職種チームを結成し、どの世代でも無理なく実施が可能な‘歩行’に着目した周術期自主リハビリプログラムの導入プロジェクトを立ち上げました。1年間の準備とパイロット期間を経て2025年6月本格始動に至った取組みをご紹介します。
3. 周術期がん患者に対する歯科の取り組み
国立がん研究センター中央病院 歯科 医長 上野 尚雄
外科周術期の歯科介入は2012年に「周術期口腔機能管理」として歯科保険収載されて以降、徐々に認知が広がり歯科の大きな役割の一つとなっています。当院でも歯科は外科周術期の支援として術後合併症(術後肺炎、挿管時の歯の損傷など)の予防、術後経口摂取の支援をもって、術後早期回復の一助となるべく活動しています。当院での周術期の歯科介入の実際、円滑な周術期のがん医科歯科連携の推進の取り組みについて報告します。