- 日時
- 2025年11月27日(木)17:30~18:30
- テーマ
- 費用対効果
司会:国立がん研究センター東病院
泌尿器・後腹膜腫瘍科 増田 均
医療DXとロボット支援手術はいずれも、医療の質・安全性・効率を飛躍的に高める技術革新として注目されている。本カンファランスでは、電子カルテ更新や生成AI、オンライン診療などデジタル基盤の進化と、ロボット支援手術の費用対効果や人材育成への波及を多面的に論じる。DXと先端外科技術の融合がもたらす医療の変革と、持続可能な経営・教育体制のあり方を展望する。
1. 医療DXの現状と展望
神奈川県立がんセンター 副院長/ 大島 貴
本講演では、当院の情報システムと生成AIの現状を俯瞰し、次期電子カルテ更新、医療情報プラットフォーム構築、オンライン診療、スマートフォン活用の進捗を示します。あわせて質・安全・効率・患者体験への効果を検証し、相互運用性・人材・セキュリティ・法制度の課題を整理します。
2. ロボット支援手術への投資が病院経営に与える影響:費用対効果の面から
国立がん研究センター東病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科 / 増田 均
ロボット支援手術は、幅広い診療科領域で、その適応が拡大しています。導入・維持に多額の費用を要する一方で、病院ブランド力の強化、患者および紹介元医師からの信頼獲得、若手外科医の教育・人材確保といった中長期的な価値をもたらします。一方で、診療報酬が消耗品費用を十分にカバーしていないこと、また保守費用が非常に高額です。費用対効果を最大化するためには、十分な症例数の確保、複数診療科横断的な利用体制の構築が不可欠と思われます。