- 日時
- 2025年12月25日(木)17:30~18:30
- テーマ
- 高齢者におけるがん治療
※延期になりました。決まり次第更新いたします。
司会:国立がん研究センター 東病院
病院長 / 土井 俊彦
高齢者がん患者の増加に伴い、がん専門病院では多職種連携による包括的ケア体制の強化が進められています。身体的・認知的脆弱性を考慮した治療選択支援、生活の質(QOL)を重視した緩和ケアの充実、意思決定支援(SDM)の導入が重要な柱です。しかしながら地域における医療強度や財源は異なります。今回、2つのエリアを選び、急性期中心の対応とライフプランを考慮しての対応の多いエリアから取り組みと現状を発表いただき、多様性を考慮した地域連携の深化により、高齢者がん患者の医療モデルについて意見を述べてもらいます。
1. 高齢者口腔がんに対する外科的根治治療の実際
国立病院機構 四国がんセンター 頭頸科・甲状腺腫瘍科統括診療部長 / 門田 伸也
本邦における高齢者人口は増加し続けており、頭頸部がん症例における高齢者の割合も約半数を占めるに至っています。外科的根治治療は頭頸部がんに対する標準治療のひとつであり、とくに口腔がんにおいては第一選択に位置づけられています。併存疾患や臓器予備能低下、社会的活動性の低下などの問題を勘案しながら、高齢者に対して必要な治療をいかに適用するべきか、実地臨床から検証して報告します。
2. 高齢がん患者を支える取り組み
国立がん研究センター東病院 看護部 サポーティブケアセンター・看護師長 / 市川 智里
当院では、高齢がん患者が安全に治療を受けられるように、治療開始の入院前から高齢者機能評価を実施し課題を抽出しています。また、看護師が主体となり、リスクに応じた専門家へのコンサルテーションの調整や関連部署への情報も提供しています。状況に応じて倫理カンファレンスや多職種カンファレンスを開催し、治療に備えられるよう多職種と協働しています。今回は、国立がん研究センター東病院での取り組みを紹介し、ケアの一助となる機会といたします。