- 日時
- 2020年04月09日(木)17:30~19:00
- テーマ
- 放射線画像に関するAI研究について
(大阪国際がんセンター発信)
司会 放射線診断・IVR科 診療放射線技師長 米田 晃敏
AI(人工知能)は、ディープラーニング(深層学習)による進化で広く認知され、あらゆる産業の分野で活用が進んでいる。医療業界も例外ではなく、病気の診断などにAIを活用する動きが始まり一部の疾患ではすでに実用化されている。今回は放射線技師の立場からディープラーニングを用いた研究3題を紹介し、他施設からの意見を今後の研究に繋げたい。また、既に始められている研究などがあれば施設間で共有したい。
1.人工知能の画像処理への応用とその一例
大阪国際がんセンター放射線診断IVR科 坂下 直洋
当院では一般撮影画像やCT画像などの臨床画像を対象に、人工知能を応用した画像処理の研究をおこなっている。 今回は人工知能のひとつである畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の基礎とCNNを用いてどのようなことができるかについて述べる。また、Sony社の提供する開発環境である「Neural Network Console」を用いて、実際のネットワーク構築と学習の一例を紹介する。
2.胸部CT検査における畳み込みニューラルネットワークを用いた息止め不良の検出
大阪国際がんセンター放射線診断IVR科 大野 歩果
胸部CT画像からCNNを用いて、息止め不良を検出するプログラムを開発した。 症例数は少ないものの、患者の息止め不良および良好の認識を正しく行うことができた。また、このプログラムをCTの検像端末へ試験的に導入した。 今回は、プログラムの仕様や導入時に判明したCNNの問題点などについて述べる。
3.ボーラストラッキング法における対象血管への関心領域の自動設定
大阪国際がんセンター放射線診断IVR科 白井 清教
ボーラストラッキング法は、CT透視像から対象血管にRegion of Interest(ROI)を設定し、CT値をリアルタイムで測定する。CT値が閾値を超えると本スキャンを開始する手法である。これまで、ROIが対象血管から外れないように、操作者が位置の修正をしていた。今回は、CNNの1つであるU-Netを用いて対象血管の検出を行い、ROI設定および修正の自動化を試みた。