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【多職種向け】 2023年

多地点合同メディカル・カンファレンス[2023-第3回]

(九州がんセンター発信)
司会 九州がんセンター 副院長 古川 正幸

がん診療連携拠点病院等の新整備指針(2022.8)では、臨床倫理的・社会的な問題を扱う院内多職種カンファレンスが求められている。当院では有志により臨床倫理サポートチーム(CEST)が立ち上げられ、2021年より臨床倫理委員会を置いて公式に活動を開始した。現在CESTは医師9名、看護師5名、メディカルスタッフ8職種1名ずつで構成され、臨床倫理カンファレンスや院内教育などを行っている。

1. チーム活動から見えてくるがん治療医にとっての「臨床倫理」

九州がんセンター 整形外科 医長 薛 宇孝

臨床倫理的な問題についてのカンファレンスは多職種で行うことが望ましく、特に治療の方針や選択肢が絡む議論には医師からの意見が重要である。しかし医師は概ね多忙で声をかけづらい存在で、臨床倫理という単語になじみがなく担当患者のトラブルが衆目にさらされることにも抵抗がある。当院でのチームの取り組みを紹介し、医師にとっての臨床倫理カンファレンスの意義を考察する。

2. 多職種で行う倫理カンファレンスの内容と在り方の検討

九州がんセンター サイコオンコロジー科 心理療法士 白石 恵子

臨床倫理カンファレンスの開催は臨床倫理サポートチーム(CEST)の活動として大切なものである。2021.4~2023.2月のカンファレンス依頼は、21症例(11診療科/14名・女6名/年齢12~90歳)であった。CESTとの検討の場は多職種でのディスカッションであるため、客観的な視点を確保したり現場のつらさやもやもや感を共有したりできる。そのためスタッフは今後の方向性を決定する上で有用であると感じるようになっている。今回は症例の内容を振り返りカンファレンスの在り方などを検討する。

3. 「最期まで生を希求し娘の面会を拒否する患者」の倫理カンファレンスの実際

九州がんセンター 呼吸器腫瘍科病棟 看護師長 安永 浩子

CESTチームが立ち上がってからの2年間、臨床におけるさまざまな倫理的問題やジレンマに対し、プライマリーチームと患者の最善について検討してきた。今回は、プライマリーチームの一員として、「最期まで生を希求し、最期の過ごし方の希望を伺うこともできず、代理の意思決定者との面談もできずに立ちすくんだ事例」を経験した。CESTチームとの倫理カンファレンスの実際を紹介し、倫理的思考のプロセスを辿りながら、他に何かできなかったか検討したい。

更新・確認日:2023年08月30日 [ 履歴 ]
履歴
2023年08月30日 ビデオを削除いたしました。
2023年03月09日 抄録を更新しました。
2022年03月08日 抄録を更新しました。
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