- 日時
- 2023年05月11日(木)17:30~18:30
- テーマ
- これからのがん対策について(がん診療連携拠点病院等の整備指針と第4期がん対策推進基本計画)
(国立がん研究センターがん対策研究所発信)
司会 国立がん研究センターがん対策研究所 がん医療支援部 鈴木 達也
1. がん対策推進基本計画のロジックモデル
国立がん研究センターがん対策研究所 副所長 祖父江 友孝
2023年3月に第4期がん対策推進基本計画が閣議決定された。策定の過程で、ロジックモデルを利用することになり、がん対策研究所において「次期計画プロジェクト」として組織横断的に対応することとなった。ロジックモデルとは、対策が最終的に目指す変化・効果の実現に向けた道筋を体系的に図示化したものであり、厚労省の他の政策立案過程でも利用されつつある。がん対策推進協議会資料を中心に、現在までの進捗と今後の方向性について報告する。
2. これからのがん対策について
大阪医科薬科大学 医学研究支援センター 医療統計室 室長・准教授 伊藤 ゆり
第4期がん対策推進基本計画の全体目標に「誰一人取り残さないがん対策」という文言が入った。現在、居住地、世帯所得、職業、教育歴など社会的な背景により、がんの各種アウトカムに格差が生じている。つまり、個人の努力ではどうしようもない要因により、「取り残されている集団」が存在する状況がある。今後、都道府県での計画を策定・実施していく上で、必要となる「健康の社会的決定要因」や「健康格差」の視点について紹介したい。