- 日時
- 2023年04月27日(木)17:30~18:30
- テーマ
- CAR-T細胞療法の施設間連携
(東京都立駒込病院発信)
司会 東京都立駒込病院 腫瘍内科 部長 下山 達
CAT-Tが保険適応となり3年が経過し、承認製剤は5剤(Tisa-cel, liso-cel, Axi-cal, Ide-cel , Cilta-cel)に増えた。適応症例も難治性ALL、DLBCL以外にも、FLやMMなど適応疾患も広がり、現在ではCAR-T施行施設は40施設以上となっている。CAR-Tは製造に時間がかかることや、原病がaggressiveな進行をたどる事が多いため、適格症例の迅速な紹介や、アフェレーシス前のリンパ球の疲弊回避を念頭においた治療選択、CAR-T後の感染症予防などで施設間連携を密にする必要がある。今回、ALL, MMリンパ腫のCAR-T担当者から施設連携のポイントの解説、今後の展開についてお話しいただく。
1. CAR-T細胞療法の施設間連携の重要性 ~急性リンパ性白血病、多発性骨髄腫において~
東京都立駒込病院 血液内科 医長 小林 武
当科では2020年6月から急性リンパ性白血病6例、2022年10月から多発性骨髄腫4例に対してCAR-T細胞療法を行ってきた。いずれも再発期が適応となるが、化学療法からリンパ球採取までに期間を空ける必要があること、製剤ができるまで場合によりブリッジングの化学療法が必要となること、治療後のフォローアップなどから、紹介元施設との密な連携が重要となる。両者に対するCAR-T細胞療法について当科の経験を踏まえて報告する。
2. 悪性リンパ腫におけるCAR-T細胞療法の施設間連携
東京都立駒込病院 腫瘍内科 八木 悠
当院では2020年6月から2023年3月まで、再発難治性の悪性リンパ腫に対してCAR-T療法に対して180例の紹介をうけ54例施行した。CAR-T療法の奏功を高めるためには、リンパ腫の病勢コントロールが重要であり、紹介元病院との連携が重要である。施設間連携のためにおこなっている当院の取り組みについて報告する。また、データマネージャーが中心となり患者登録をおこなっている当科独自の体制に関しても言及する。