- 日時
- 2024年03月28日(木)17:30~18:30
- テーマ
- がん領域に関連する令和6年度診療報酬改定の概要
国立がん研究センターがん対策研究所 発信
国立がん研究センターがん対策研究所 鈴木 達也
令和6年度は2年に1度の診療報酬改定のタイミングである。我が国の医療は、保険医療制度の下で運用されており、患者さんに医療を提供する上で、その理解は必要不可欠である。しかしながら、毎回膨大な改定内容に目を通すことは大変骨が折れる作業である。そこで、来年度から円滑に診療報酬改定に対応するために、今回前半で総論、後半で各論として、令和6年度診療報酬改定について情報を提供し、その理解の一助となれば幸いである。
1. 令和6年度診療報酬改定 総論編
国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 下井 辰徳
診療報酬とは、実施された診療に対する対価として受け取る報酬である。診療報酬の設定は、大きく分けると、医師の診察や手術などの技術料と、診療に伴い必要となる薬剤や治療材料などの価格(薬価など)に大別される。診療報酬は、健康保険法第 82 条に基づいて、厚生労働大臣が支払い側と診療側の意見を聞いて決定する仕組みとなっており、2年に1回、診療報酬の改定が実施される。総論編では、診療報酬改定がなぜ行われるのか、どういった手続きで行われるのか概説する。
2. 令和6年度診療報酬改定 各論編
国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 伊藤 宗洋
令和6年度診療報酬改定について、がん領域においてもいくつかの改定がなされている。令和4年度改定より新設された、外来腫瘍化学療法診療料ではその要件の整理に加え、がん薬物療法体制充実加算が新設となっている。また、医療技術評価分科会において、学会提案の中から診療報酬改定において対応する優先度が高い技術が示され議論されている。それらについて、各論編としていくつかピックアップを行い、ご紹介したい。