- 日時
- 2024年04月25日(木)17:30~18:30
- テーマ
- がん治療に関わるすべての人のためのオンコネフロロジー入門
(国立がん研究センター中央病院 発信)
司会 国立がん研究センターがん中央病院 総合内科長 大橋 健
慢性腎臓病(CKD)や糖尿病など併存疾患による腎障害を有するがん患者は少なくない。また、がん治療の多様化に伴い、がん治療に関連した腎障害も増えている。最近注目されている「オンコネフロロジー」は、がん患者の腎障害に関するさまざまなニーズに対応する新たな診療・研究領域である。がん患者の腎障害の現状やオンコネフロロジーの取り組みについて学びながら、がん患者の腎臓を守り、腎臓病患者のがん治療を支えるために私たちに何ができるか考えてみたい。
1. 中央病院での診療状況を含めた OncoNephrologyの導入
国立がん研究センターがん対策研究所/中央病院 総合内科 石井 太祐
本邦では高齢化を背景として慢性腎臓病を合併するがん患者が多く、がん薬物療法の多様化により急性腎障害や水・電解質異常などの腎臓関連の有害事象に対する注意も必要となる。そのため、がん患者における腎臓病診療の専門領域であるOncoNephrologyはがん専門病院でもさらに必要性を増している。中央病院のコンサルテーション内訳を含め、OncoNephrologyの概要について紹介する。
2. 腎臓内科医からみたOncoNephrology
京都大学医学部附属病院 腎臓内科学 柳田 素子
OncoNephrologyでは、がん患者の腎障害診療、腎機能低下患者におけるがん診療、がんサバイバーの慢性腎臓病診療が3つの柱をなしている。特に本邦は高齢化を背景として、がん患者における慢性腎臓病罹患割合が25%と高い。さらに抗がん剤や分子標的薬使用に伴う薬剤性腎障害は障害部位や症状が多彩であり、適切な診断と治療が重要である。本会ではOncoNephrology診療の実際と注意点についてお話したい。