- 日時
- 2024年10月10日(木)17:30~18:30
- テーマ
- 日本のがんゲノム医療 開始6年目を迎えて②C-CATデータを使ってみよう!
国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター(C-CAT) 発信
国立がん研究センターC-CAT センター長 河野 隆志
保険診療で行われる遺伝子パネル検査も8万件を超え、そのデータを利用した研究プロジェクトが100以上稼働しています。単施設では解決できないクリニカルクエスチョンがC-CATデータの集計で明らかにできる可能性があります。本日は、医師として勤務されながら、C-CATデータを用いた研究を進めておられる二人の先生にご経験を伺います。
1. C-CATデータを利用した研究プロジェクトの紹介
国立がん研究センターC-CAT センター長 河野 隆志
2022年より、C-CATのデータが研究できるようになり、全国45施設の先生方の研究が行われています。今日は、昭和大学産婦人科、都立駒込病院で、C-CATデータを用いた研究を進めてこられたお二人の先生にお話を伺います。
2. 婦人科がん領域におけるクリニカルクエスチョンとC-CATデータを用いた解決の試み
昭和大学病院 医学部 産婦人科 助教 朝見 友香
子宮体癌は、ゲノム異常に基づいて分子生物学的特徴を反映する4つのグループに分類され、予後が異なることが報告された。欧米人 で分子分類の有用性が報告されるが、日本人子宮体癌患者に対する有用性の報告はない。そこで、C-CATに登録された症例の臨床・ゲノム情報を入手し、1,000人を超える大規模な日本人子宮体癌患者に対する分子分類の有用性を初めて報告した。今回は、臨床医でもハンドリングが可能であったC-CATデータ利活用方法を紹介する。
3. C-CATデータの使い方や問題点、解決のための手段など
国立がん研究センター研究所 細胞情報学分野 主任研究員
都立駒込病院 骨軟部腫瘍科 池上 政周
C-CATデータベースは8万例を超える固形がん患者の遺伝子変異情報・薬剤の使用状況と効果・生存期間情報を兼ね備えた世界に類をみないものであり、特に症例集積の難しい希少がん・希少フラクションの臨床像の解明と治療法の改善への活用に適している。リアルワールドデータ解析のピットフォールとその解決法を明らかにしつつ、どのような解析が可能なのかの具体例を多数紹介する。