- 日時
- 2024年11月28日(木)17:30~18:30
- テーマ
- 患者さんに資するがん薬物療法の安全管理
長崎大学病院 発信
長崎大学病院 がん診療センター 副センター長 本田 琢也
がん薬物療法において、有害事象を適切かつ安全に管理することは患者さんの利益に直結する重要な問題である。殺細胞性抗がん薬以外に、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬の開発、適応拡大がすすみ、ますます複雑化している副作用対策をはじめとした安全管理は病院全体に関わる大きなテーマと言える。
本会ではがん薬物療法における安全管理の実際について二施設から発表いただき、ディスカッションしていきたい。
1. irAEの院内管理体制の構築と問題点
長崎大学病院 がん診療センター 講師 谷口 寛和
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の適応が拡大し、それに伴って、多くの診療科でICIを使用するようになっています。どの診療科でも、使用開始時は当然ICIの使用経験が浅くirAEのマネージメントに苦慮することがあるため院内での協力体制の構築が必要と考えられます。irAEに関する最近の動向や、当院でのirAE対策への取り組み、現状、問題点について発表します。
2. がん薬物療法の安全管理
茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター
薬剤局薬剤科 副薬剤科長 大神 正宏
がん薬物療法においては、抗がん薬の取り扱い・レジメン管理・有害事象の早期発見・早期対策などが必要であり、そのためには多職種からなるチームの関与が重要である。当院ではがん薬物療法の安全管理を多職種で行うだけでなく、がん薬物療法自体を実施するかどうかにおいて、倫理的側面からチームで検討を行うケースがある。今回、当院のがん薬物療法における多職種の関わり及び倫理的問題に対する体制について紹介する。