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【多職種向け】 2024年

多地点合同メディカル・カンファレンス[2024年度-第5回]

東京都立駒込病院 発信
司会 東京都立駒込病院 大腸外科 部長 川合 一茂

下部進行直腸癌は術後に局所再発を来すことがあり、これを抑制する目的にて術前に化学療法や放射線療法を行う化学放射線療法(CRT)が欧米を中心に発展してきた。近年これを発展させたTotal neoadjuvant therapy(TNT)という手法が広まりつつあり、当院でも2年前より本格的にこの治療を開始、行ってきた。これまで以上に集学的治療の必要性が高まり外科と放射線科との連携が重要となる昨今、当院での取り組みを紹介する。

1. 当院でのTNTの導入と治療成績

東京都立駒込病院 大腸外科 中守 咲子

近年、進行直腸癌に対するTNTが注目されているが、その適応や治療内容は施設によって様々なのが現状である。当院では進行直腸癌に対し、2020年11月より短期照射とCAPOX療法の組み合わせによるTNTを導入している。症例の適応や術前治療中の副作用マネジメント、滲出液の多い術野での手術の工夫、治療成績に関して、外科の立場より紹介する。

2. TNTにおける放射線治療の役割

東京都立駒込病院 放射線科(治療部) 部長 室伏 景子

従来、局所進行下部直腸癌に対する放射線治療の役割は術前照射による局所制御率の向上であった。TNTの導入により、良好なpCR率や無遠隔転移生存率が得られるようになった。TNTでは、集学的治療の重要性が増しており、手術や化学療法、放射線治療それぞれの役割を把握し、遂行することが望まれる。放射線治療医の観点からTNTにおける放射線治療の役割や注意すべき点について紹介する。

3. TNTにおける看護師の役割(放射線治療の立場から)

東京都立駒込病院 放射線科(治療部) がん放射線療法看護認定看護師 田中 陽子

TNTにおいて、その治療過程は放射線治療、化学療法、手術と長期に及ぶ。患者は癌の罹患によってもたらされる身体的・社会的・心理的変化を受け止めながら治療に挑む。看護師は治療を理解し有害事象のケアや生活の調整など、患者に必要な個別性のある支援を見出し提供する必要がある。特に放射線治療は患者にとっての最初のがん治療となる。放射線治療の立場からTNTを受ける患者の看護ケアについて紹介する。

更新・確認日:2024年05月29日 [ 履歴 ]
履歴
2024年05月29日 抄録を更新しました。
2024年03月11日 抄録を掲載しました。
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