- 日時
- 2024年05月09日(木)17:30~18:30
- テーマ
- 転移性肺腫瘍に対する肺転移切除術のエビデンス
(栃木県立がんセンター 発信)
司会 栃木県立がんセンター 統括診療部副部長 松隈 治久
転移性肺腫瘍に対する肺転移切除術は標準治療の一つとして行われているが、そのエビデンスのほとんどが比較対象を持たず、肺転移切除例のみの予後を示した報告であり、非切除では得られないとされる長期生存を一定割合示したものばかりである。これに対して一部では予後が良い症例にだけ肺転移切除を行っているから長期生存を示すだけとの意見もある。最近追加されてきたエビデンスについて紹介する。
1. 最近追加されてきた肺転移切除のエビデンス
栃木県立がんセンター 統括診療部副部長 松隈 治久
UKを中心としたグループがこれまでのエビデンスでは肺転移切除の意義は証明されていないとの考えからランダム化比較試験(PulMiCC)を計画、実施し、その結果を報告している。また、転移性肺腫瘍研究会で行った研究でAnnals of Surgery 2013に発表したIida T, et al.の論文とAnnals of Surgical Oncology 2022に発表したMatsuguma H, et al.の論文を紹介し、最近積み重ねられているエビデンスについて紹介する。
2. 転移性肺腫瘍に対する肺転移切除の適応
栃木県立がんセンター 呼吸器外科 中原 理恵
肺転移切除術の適応に関して、特に何個までを適応とするのか、あるいはどのような癌種について適応とするかについては、施設毎あるいは医師毎に考え方の違いがあるものと考える。当センターでの考え方を実際の症例を提示しつつ紹介する。