- 日時
- 2024年09月26日(木)17:30~18:30
- テーマ
- 日本のがんゲノム医療開始6年目を迎えて①
国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター(C-CAT) 発信
国立がん研究センターC-CAT センター長 河野 隆志
進行固形がんの患者さんに対し、保険診療としてがん遺伝子パネル検査を行い、臨床試験への参加など、新たな治療法を探すことが可能になりました。国民皆保険の下、国を挙げてこのようながんゲノム医療の取り組みが行われている国はほかに例を見ません。令和元年の開始より6年目を迎えた現在、C-CATやがんゲノム医療病院での実情や取り組みを共有し、今後に活かす機会とできればと思います。
1. C-CAT集積データから見る日本のがんゲノム医療
国立がん研究センターC-CAT センター長 河野 隆志
患者さん、がんゲノム医療病院、検査会社の多大な貢献により、8万例を超える日本人がん患者のゲノム・診療データがC-CATに集積されています。またC-CATからは、それぞれの患者さんのがん種・遺伝子変異に対応する国内臨床試験の情報を搭載したC-CAT調査結果が医療施設に返却され、エキスパートパネルでの議論に利用されています。C-CAT集積データから見える日本のがんゲノム医療の実情と課題について紹介いたします。
2. がんゲノム医療拠点病院としての取り組み−年間600件を超える検査の管理と県内均てん化のために必要なこと−
神奈川県立がんセンター がんゲノム診療センター長 廣島 幸彦
2019年6月にがん遺伝子パネル検査が保険収載されてから約5年が経過しゲノム医療が一般的になりつつある一方で、検査の適応や受検のタイミング、適切な検体の選択や治療へのアクセスなど、様々な課題、問題点が浮き彫りになってきています。当院は、がんゲノム医療拠点病院として県内のがんゲノム医療の均てん化を目指し、院外からの症例を積極的に受け入れることで、年間600件を超える検査を実施しています。本カンファレンスでは、がんゲノム医療の均てん化のために当院が実施してきた様々な取り組みについて発表します。