- 日時
- 2024年04月11日(木)17:30~18:30
- テーマ
- オンライン治験
(国立がん研究センター中央病院 発信)
司会 国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 沖田 南都子
オンライン治験はDCT(Decentralized Clinical Trial)とも呼ばれ、デジタル技術の発展やコロナ禍でのオンライン診療の広がりにより導入が始まっている。オンライン治験は治験へのアクセス向上や登録促進が期待される一方で、導入にあたっては被験者の安全性やデータの信頼性の確保が重要である。今回は、オンライン治験の導入を進めている施設の取組みを紹介いただき、そのメリット・デメリットや今後の方向性について議論したい。
1. がん領域のオンライン治験の実践と課題
国立がん研究センターがん中央病院 国際開発部門 中村 健一
国立がん研究センター中央病院では希少がんプラットフォーム試験であるMASTER KEYプロジェクトの複数の医師主導治験にフルリモート型のオンライン治験を実装し、さらにJCOGの特定臨床研究でハイブリッド型のオンライン治験を準備している。オンライン治験の各要素をどう組み合わせるかは状況によるため、要素の使い分けのヒントと、実装上の工夫、今後に向けた課題について述べる。
2. 当院におけるパートナー医療機関を活用したオンライン治験の成果と課題
愛知県がんセンター 薬物療法部 谷口 浩也
愛知県がんセンターでは2022年よりALK融合遺伝子陽性がん(非小細胞肺癌を除く)を対象とした経口ALK阻害薬の適応拡大を目指した医師主導治験において、オンライン診療、治験薬配送、パートナー医療機関活用等のDCT手法を導入した。導入経緯から成果までを赤裸々に披露し、研究者の視点からがん臨床試験・治験におけるDCTの今後の方向性と課題について述べる。