平成28年1月21日、第3回小児がん拠点病院連絡協議会がTKP品川カンファレンスセンターにて開催され、全国15の小児がん拠点病院および国立成育医療研究センターと国立がん研究センターの2つの小児がん中央機関代表者が参加した(出席者名簿)。
開会にあたり、国立成育医療研究センターの賀藤均病院長と厚生労働省健康局がん・疾病対策課の秋月玲子がん推進対策官より挨拶があった。
1. 中央機関からの報告
松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)から資料の説明が行われ、中央機関事業について、専門医研修の進捗、情報提供の現状、院内がん登録などの状況に関して報告された。(資料1)
2. 相談支援部会からの報告
鈴木彩医療社会事業専門員(国立成育医療研究センター)から資料の説明が行われ、相談員研修の遂行や、今後の研修の予定、相談支援センターの設置支援について報告された。(資料2-1)、(資料2-2)
3. 病理連絡部会の設立についての提案
義岡孝子病理診断部長(国立成育医療研究センター)から資料の説明が行われ、固形腫瘍のコンサルテーション事業を中心に現状が報告された。 (資料3 )
4. 各ブロック総括施設からの報告
鈴木達也課長補佐(厚生労働省健康局がん・疾病対策課)から現況報告の概要について説明が行われ(資料4 )、続いて、北海道ブロックは井口晶裕講師(北海道大学病院)(資料4-1)、東北ブロックは笹原洋二准教授(東北大学病院)(資料4-2)、関東甲信越ブロックは松本公一センター長(資料4-3)、東海北陸ブロックは小島勢二教授(名古屋大学医学部附属病院)、平山雅浩教授(三重大学医学部附属病院)(資料4-4)、近畿ブロックは細井創教授(京都府立医科大学附属病院)(資料4-5)、中国四国ブロックは小林正夫教授(広島大学病院)(資料4-6)、九州ブロックは古賀友紀講師(九州大学病院)(資料4-7)より各ブロックの取り組みについて概要の報告がされた。
5. 総合議論
- テレビ会議のシステムは、接続の問題から再検討が必要である。
- 拠点病院から収集される診療情報については、脳腫瘍を固形腫瘍から独立させること、症例数が1例でも、その情報を公開することが提案され、了承された。さらに、各ブロックの小児がん診療病院での診療情報を収集することが提案され、了承された。その具体的な収集内容は、院内がん登録との整合性を担保する必要があり、今後検討することとなった。また、少数の症例のみしか診療していない施設で治療されている患者は、正しい情報を受けているのか、確認することが求められた。
- 集約化と均てん化について、各ブロックとも比較的適切に取り組みができているが、今後は再発難治例のさらなる集約化、AYA世代への対応、緩和ケア、長期フォローアップ体制の確立、晩期合併症の実態調査などの取り組みが必要であり、継続的な患者支援を見える形で行うことが確認された。
- 拠点病院だけでなく、全国の小児がん診療施設のレベルアップが必要であり、拠点病院が主導的に臨むべきであることが確認された。
- ブロックごとに相談支援部会を設置することが提案され、了承された。また、ピアサポーター養成に関する要望があった。