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小児がん拠点病院連絡協議会 開催記録

第8回小児がん拠点病院連絡協議会概要

平成30年6月22日、第8回小児がん拠点病院連絡協議会がTKP 品川カンファレンスセンター バンケットホールにて開催され、全国15の小児がん拠点病院および国立成育医療研究センターと国立がん研究センターの2つの小児がん中央機関代表者が参加した。(出席者名簿
開会にあたり、国立がん研究センターの中釜斉理事長、そして国立成育医療研究センターの五十嵐隆理事長より挨拶があった。また、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の栗本景介課長補佐より「小児がん拠点病院の指定要件の見直しについて」の説明があった。(資料

会場風景写真

1.小児がん中央機関からの報告

(1)情報提供と院内がん登録について
若尾文彦センター長(国立がん研究センターがん対策情報センター)から、「がん情報サービスに掲載されている小児がんに関する検索数が増えている」など、情報提供と院内がん登録について報告された。(資料1-1

(2)小児がん拠点病院制定後の小児がん患者の集約化ついて
松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)から、「各診療施設からいただいた診療情報を成育のHPに掲載している」「地域的な診療状況の違いがある」など、小児がん拠点病院制定後の小児がん患者の集約化の変化について報告された。(資料1-2)(別紙1)(別紙2

2. 相談支援部会からの報告

鈴木彩医療社会事業専門員(国立成育医療研究センター)から、相談員専門研修・継続研修など活動報告やAYA世代の相談支援に関するグループワーク開催について、また、相談支援体制の検討をするWGを発足させるなど専門研修・継続研修の計画について報告された。(資料2

3.看護部会、病理診断部会、診断部会について

(1)看護部会
松谷弘子看護部長(国立成育医療研究センター)から第2回看護部長会議について「ブロックを超えて看護部長会議があることの意義を考え、情報の共有を行った」と、報告された。(資料3-1

(2)病理診断部会
松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)から、義岡孝子病理診断部部長(国立成育医療研究センター)の代理として、1月に行われた病理診断部会について「固形腫瘍の中央病理件数は増えている」と、報告があった。(資料3-2

(3)診断部会
出口隆生診療部長(国立成育医療研究センター小児がんセンター小児がん免疫診断科)から、診断部会について報告された。中央検査機関である成育が中心となり、全国の検体の中央診断を行っていることなどが示された。(資料4-1

4.各ブロックの取り組みについて

松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)から、各ブロックの取り組みと予定、相談員研修の受講状況について報告がなされ、情報を共有した。また、余谷暢之診療部長(国立成育医療研究センター小児がんセンター総合診療部緩和ケア科)より、本年度の緩和ケアチームの計画と準備状況について報告された。(資料5-1

続いて、各ブロックの取り組みについて概要の報告がされた。

  • 北海道ブロック:井口晶裕講師(北海道大学病院)(資料5-2-1
  • 東北ブロック:笹原洋二准教授(東北大学病院)(資料5-2-2
  • 関東甲信越ブロック:松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)(資料5-2-3
  • 東海北陸ブロック:平山雅浩教授(三重大学医学部附属病院)(資料5-2-4
  • 近畿ブロック:小阪嘉之センター長(兵庫県立こども病院)(資料5-2-5
  • 中国四国ブロック:川口浩史講師(広島大学病院)(資料5-2-6
  • 九州ブロック:古賀友紀講師(九州大学病院)(資料5-2-7

5.アンケート結果について

松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)から、平成30年度小児がん拠点病院連絡協議会事前アンケート結果と、連携病院(仮)に必要な要件についての集計結果が報告された。(資料5-3、5-4

この報告について、以下の議論があった。

  • 協議会の診療病院のリストと、今後指定される連携病院との対応について議論がされた。現時点では連携病院の要件が決定していないが、協議会が連携病院を検討する仕組みにはなるため、ブロックの協議会内で高度医療や専門医療を特長とする病院を把握する必要がある。
  • 地域の実情に合わせて連携病院を指定し、空白がないように整備することが重要である。
  • 連携病院を指定する目的を明確にすることが望ましい。協議会内の他施設の情報を共有することは利点となり、診療の質の担保にもつながる。患者さんにとって、どの病院でどのような診療が行われているかを「見える化」することが必要である。

6.総合議論

全体を踏まえて、以下の議論があった。

  • 各拠点の協議会の中に、積極的に行政の担当者を含めていただきたい。患者から地方の行政窓口に相談があった場合に、必要な情報にたどり着けるネットワークが望ましい。
  • 小児がんの対策が進んでいることの客観的な指標については、Quality indicatorで評価し、「質の見える化」を試みている。
  • 臨床試験や治験の情報は、臨床試験の公的データベースで公開され、jRCTで集約される。また、JCCG早期相試験推進委員会などでも集約しており、施設の担当医に問い合わせることで知ることができる。
  • 連携病院の診療情報も公開するようにし、患者がどの病院に行けばいいのかをわかりやすくしていただきたい。
  • ブロックごと・もしくは全体として、思春期の患者の診療体制・方針を検討していく。施設ごとのAYA世代の患者に対する、受け入れ状況の公開も必要だろう。
  • AYAがんの診療について、小児がん拠点病院における診療の方針をご検討いただきたい。
  • 連携病院の指定要件に、院内がん登録への対応を検討していく。
  • 病院の質を保つための人的資源を、永続的な雇用にするように支援していただきたい。
  • 高等学校の入院中の教育支援については、教育機関やボランティア等からのさまざまな支援を各病院単位で行っているところではあるが、入院中患者の単位認定について都道府県間の差がかなりあり、患者に不利益が生じている。すべての入院中の高校生が単位認定を得る機会が得られるように、地方自治体単位ではなく全国レベルで、厚労省・文部科学省を含めた行政支援をいただかねばならない。

第8回小児がん拠点病院連絡協議会資料

更新・確認日:2018年10月25日 [ 履歴 ]
履歴
2018年10月25日 「第8回小児がん拠点病院連絡協議会概要」を掲載しました。
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