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小児がん拠点病院連絡協議会 開催記録

第11回小児がん拠点病院連絡協議会概要

令和2年1月16日、第11回小児がん拠点病院連絡協議会がフクラシア東京ステーション6Dにて開催され、全国15の小児がん拠点病院および国立成育医療研究センターと国立がん研究センターの2つの小児がん中央機関代表者が参加した。(出席者名簿
開会にあたり、国立がん研究センターの中釜斉理事長、国立成育医療研究センターの五十嵐隆理事長より挨拶があった。また厚生労働省健康局がん・疾病対策課の笠原真吾課長補佐より挨拶があった。

会場風景写真

1.小児がん中央機関からの報告

(1)「がん情報サービス」の情報提供・相談支援について
若尾文彦センター長(国立がん研究センターがん対策情報センター)から資料の説明が行われ、がん情報サービスで小児・AYAがんの集計について、国立成育医療研究センターの瀧本哲也病診療部長とともにまとめた結果を掲載していることなどが報告された。(資料1-1

(2)小児がん中央機関の役割と成育医療研究センターでの情報公開について
松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)から資料の説明が行われ、情報公開データの解析について集約化の状況がブロックごとに異なることや、診療相談ホットラインについて報告された。(資料1-2)(別紙1)(別紙2

2. 相談支援部会からの報告

鈴木彩医療社会事業専門員(国立成育医療研究センター)から資料の説明が行われ、相談員専門研修・継続研修など活動報告や、専門研修や部会の計画について報告された。相談支援部会では、文部科学省の特別支援教育課の方に参加いただき、教育支援をテーマとして議論を交わした。また、高校生の教育制度が緩和されつつあるが、依然として理解や整備が不十分であることが課題と報告された。(資料2

3.看護部会について

松谷弘子看護部長(国立成育医療研究センター)から第5回看護部長会議について、看護師の職場環境を高めるための情報共有を行ったことや、看護補助加算の算定の工夫や看護助手の雇用についての課題、病棟薬剤師の看護師とのタスクシフトなど看護管理上の情報共有を行ったことが報告された。また、他施設の見学について臨床研修を推進する試みを考えていることも報告された。(資料3

4.中央機関の支援事業について

(1)造血器腫瘍マーカー中央診断の報告について
出口隆生診療部長(国立成育医療研究センター小児がんセンター小児がん免疫診断科)より資料の説明が行われた。医療法改正に対応すべく衛生検査センターを設置・登録を行ったこと、白血病微小残存病変の測定について、手順書や臨床試験との整合性、検体の搬送体制を整備していることなど、免疫中央診断について報告された。(資料4-1

(2)中央病理診断の報告について
義岡孝子病理診断部部長(国立成育医療研究センター)から、病理診断の実績や(資料4-2)中央病理診断の実績について報告された。昨年は年間1,000例を超える診断を行いFISH等遺伝子検査の実施も行っていること、小児病理診断のネットワーク構築を検討していること、FISHなども技術的には実施可能であるが、人件費や機器の購入費などが必要であることなどが報告された。

(3)中央画像診断の報告について
宮嵜治診療部長(国立成育医療研究センター放射線診療部)より画像中央診断の説明が行われstaging(中央判定)、切除の実施可能性などについて画像診断の支援を行っていること、画像中央診断についてはクラウドを用いて画像を共有し48時間以内の読影結果を求めていること、JCCG画像診断委員の20名で担当していることなどが報告された。(資料4-3

(4)小児がん中央機関における小児・AYA院内がん登録データ集計について
瀧本哲也病診療部長(国立成育医療研究センター小児がんセンター小児がんデータ管理科)より資料の説明が行われた。2016-2017年の院内がん登録の情報として、小児・AYA院内がん登録データ集計について報告され、AYAがんのうち子宮がんが多数を占めていることが確認されたこと、診断時住所と初診時治療開始施設の位置を比較すると、0-14歳の小児がん患者はAYAがんに比べ県外への診療流出・流入が多いことや、15歳以上からは学会登録と院内がん登録の数との乖離が大きくなることなどが報告された。また、公開したデータ概要についてはプレスリリースを行い、報道各社で取り上げていただいたことなども併せて報告された。(資料4-4

(5)小児がん拠点病院・小児専門施設緩和ケアチーム研修会について
余谷暢之診療部長(国立成育医療研究センター小児がんセンターがん緩和ケア科)より、緩和ケアチーム研修の計画について報告がされた。(資料4-5

5.小児がん連携病院の指定について

松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)から資料の説明が行われ、連携病院の指定状況について、連携病院の指定が行われたこと、連携病院の診療実績がおおむね同程度であること、連携病院の指定書の発行希望があることが報告された。(資料5
この報告について、以下の議論があった。

  • 患者家族の立場からは、診療の質の担保のために連携病院への承認が見えるほうが望ましく、指定書を書類として発行する。
  • 類型を重複して指定することについては、各ブロックの事情を踏まえてそれぞれで対応する。

6.その他

松本公一センター長(国立成育医療研究センター小児がんセンター)からアンケート結果について、小児がん拠点病院加算の算定や、小児・AYA世代のがんの長期フォローアップに関する研修事業(Lifetime Care and Support for Child, Adolescent and Young Adult: LCAS)についてなどの報告がなされた。(資料6-1)(資料6-2)(資料7)細井創理事長(日本小児血液・がん学会)よりLCASの説明と来年度以降、小児がん中央機関と小児がん拠点病院を中心に各地域ブロックごとに研修会を開催する提案があり、その方向性が承認された。檜山英三前理事長(日本小児血液・がん学会)よりLCASの方向性について、拠点病院で開催すること、e-ラーニングの管理は学会で行うことなどの構想が提案された。
加藤診療部長(国立成育医療研究センター小児がんセンター移植・細胞治療科)より、小児がんに対するゲノム医療について情報共有があり、小児がんに対するゲノム医療の構築について報告がなされた。(資料8

7.総合議論

全体を踏まえて、以下の議論があった。

  • 小児がん連携病院の認定や現状について情報公開をお願いしたい。また、ゲノム医療を正しく理解できるよう情報提供と啓発をお願いしたい。
  • 連携病院の体制整備による診療施設のレベルアップに期待する。

第11回小児がん拠点病院連絡協議会資料

更新・確認日:2020年04月30日 [ 履歴 ]
履歴
2020年04月30日 「第11回小児がん拠点病院連絡協議会概要」を掲載しました。
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