- 日時
- 2017年04月27日(木)17:30~19:00
- テーマ
- がん関連感染症の予防と治療のエッセンス
(長崎大学病院発信)
司会 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 感染免疫学講座 臨床感染症学分野 泉川 公一
長崎大学病院において、感染症と感染制御の分野で活躍する3人のエキスパートの先生方に、がんと感染症の関わりの総論的な内容から、日常診療の経験やエビデンスをもとに、実際のがん治療に伴う感染症のマネジメント、すなわち、予防、診断、治療について、そのエッセンスを紹介して頂きます。聴講者の皆様の明日からの診療に役立つことを願っております。
1.総論・がんと感染症
長崎大学病院 感染制御教育センター 河野 圭
肝炎ウイルスと肝細胞がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)と子宮頸がん、ヘリコバクター・ピロリと胃がんやMALTリンパ腫など、一部の悪性疾患は特定の感染症との関連が示されており、それぞれの感染症や悪性疾患に関して解説する。さらに、がん患者は、様々な感染症を発症するリスクが健常人に比して高く、その理由を解剖学的・免疫学的観点から概説する。
2.各論1・がん患者における感染症の予防
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 臨床感染症学 田代 将人
がん患者の多くは何らかの免疫不全状態にあり、様々な感染症を発症する潜在的リスクが高い点については明らかである。感染症発症後の治療についても難渋することが多いため、発症しないように予防する観点が重要である。全ての患者さんにおいて、感染症の予防には標準予防策や経路別感染予防策が基本となり、がん患者さんにおいても例外ではない。ここでは感染症予防における基本的な考え方を中心に概説する。
3.各論2・がん患者における感染症の治療
長崎大学病院 呼吸器内科 西條 知見
がん患者は様々な感染症を起こすが、原疾患や治療による免疫抑制、がんや手術による解剖学的構造の変化、および抗がん剤や免疫抑制薬による薬剤相互作用により、診断のみならず、治療に難渋することも多い。そして、感染症は、がんの治療や予後にも大きな影響を及ぼす。ここでは、治療を中心にがん患者における感染症のマネジメントについて概説する。