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【医師向け】 2017年

多地点合同メディカル・カンファレンス[2017-第17回]

(国立がん研究センター中央病院発信)
司会 国立がん研究センターがん対策情報センター がん医療支援部 加藤 雅志

現在、世界的な関心としてがん医療と緩和ケアの統合が求められている。2010年にTemelらが、がん医療の早期からの専門的な緩和ケアチームが関わることにより、QOLの改善のみならず生存期間を延長する可能性があることを無作為化比較試験で示してから(N Engl J Med 2010, 363: 733-742.)、この動向は一気に加速している。2012年にASCOはがん医療に緩和ケアを統合していくことの重要性を発表した(J Clin Oncol 2012, 30:880-887)。さらに2016年にASCOはClinical Practice Guidelineとして、緩和ケアを標準的ながん医療に統合していくべきとし、その推奨内容を改めて発表している(J Clin Oncol 2017, 35:96-112)。今回のカンファレンスでは、このような世界的な状況の中で、わが国の緩和ケアの今後の方向性についてまとめ、がん治療病院における緩和ケアのあり方について議論してまいりたい。

1.総論・わが国の緩和ケアの方向性

国立がん研究センターがん対策情報センター がん医療支援部 加藤 雅志

がん対策において、緩和ケアは重要な課題である。全国において展開された緩和ケア研修会の修了者数は10万人に至っており、研修による効果も示され緩和ケアの推進に寄与した(Cancer 2017, Epub ahead of print)。今年度、がん対策推進基本計画が改訂され、今後の緩和ケアの方向性として緩和ケアの質を高めていくことが求められている。がん診療連携拠点病院において、これから取り組むべき緩和ケアについて概説する。

2.ESMO Designated Centers of Integrated Oncology and Palliative Careとわが国への導入の可能性

聖隷三方原病院/ESMO Designated Centers WG committee member 森 雅紀

過去10年ほどの間に、進行がん患者に対する早期からの緩和ケア介入の有効性を示す多数の無作為比較試験が行われ、ASCOやESMOをはじめ国際的にがん治療と緩和ケアの統合を系統的に推進しようとする動きが出てきた。ESMOは、ESMO Designated Centers of Integrated Oncology and Palliative Careを認証することを通じて国際的に両者の統合を推進する活動をしている。ESMOによる本活動の概要と、わが国への導入の可能性について概説する。

3.わが国における早期からの専門的な緩和ケアの介入による有用性の検証と今後の展望

国立がん研究センター東病院 緩和医療科 松本 禎久

早期からの専門的な緩和ケア提供の有用性が報告され、がん医療と緩和ケアの統合の重要性が謳われている。しかしながら、実現には、限られた医療資源、社会保障制度や文化の異なる国での検証が不十分であること、介入法が確立していないことなどの問題がある。そのため、わが国で実施可能かつ有効なモデルを検証していく必要がある。国立がん研究センターで現在行っている早期からの専門的緩和ケア介入の検証試験と当院における診療上の取り組みを紹介し、今後の展望について考察する。

更新・確認日:2017年11月21日 [ 履歴 ]
履歴
2017年11月21日 ビデオを掲載しました。
2017年11月02日 抄録を更新しました。
2017年01月31日 抄録を掲載しました。
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