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【多職種向け】 2018年

多地点合同メディカル・カンファレンス[2018-第1回]

(埼玉県立がんセンター発信)
司会 埼玉県立がんセンター 消化器外科 福田 俊

食道がん根治切除術後の5年全生存率は55.5%(Comprehensive Registry of Esophageal Cancer in Japan, 2010)と報告されている。一方で死因のうち再発死亡が72.9%であった。再発治療は術後生存率の向上が期待される。当院での治療成績および再発治療を提示し、化学療法、放射線治療、外科治療の役割を再確認し、さらなる再発治療成績向上について討論したい。

1.再発に対する外科治療

埼玉県立がんセンター 消化器外科 福田 俊

当院における再発症例を検討した。再発までの期間は5年を超える症例もあり、うち2例は再発治療後の長期予後が得られている。8年を超える症例は1例のみであった。この結果をもとに、症例にもよるが8年程度の定期的な検査が好ましいと考えている。また、特に無再発期間の長い単独形式再発症例では再発治療後長期生存が得られる可能性がある。遠隔転移症例であっても、集学的治療により、特に単発肺転移症例では切除で治癒が期待できる。

2.再発食道がんに対する標準的化学療法

埼玉県立がんセンター 消化器内科 吉井 貴子

食道がんの治療は、手術・放射線治療・化学療法を組み合わせる集学的治療が中心で、化学療法が単独で治療戦略となるのは、臓器転移を有するなど、病状が全身的と考えられる症例である。
本邦の食道がん化学療法の現状は、使用可能なレジメンが少なく、不十分といえるが、その中でもできるだけエビデンスに基づく努力、新規治療開発の努力が続けられている。本発表では、本邦における食道がん化学療法の標準とそのエビデンス、開発の方向性についてレビューする。

3.食道がんの治療後再発(手術、CRT)に対する放射線治療

埼玉県立がんセンター 放射線治療科 工藤 滋弘

再発食道がんに対する放射線治療は、病変が限局していればほとんどの場合に適応があると考えている。 局所制御を目的とする治療では60Gy/30frの化学放射線治療を基本方針とし、原則予防照射は行っていない。 線量や照射範囲は再線量や照射範囲は再発した部位や治療歴によって制限があり、局所制御を目的とする場合と症状緩和を目的にする場合に分けられる。発した部位や照射歴によって制限され、胃管には60Gyを照射しない方針としている。 当院における再発食道がんに対する放射線治療の方針、方法について報告する。

更新・確認日:2023年08月30日 [ 履歴 ]
履歴
2023年08月30日 ビデオを削除いたしました。
2018年02月07日 ビデオを掲載しました。
2018年01月24日 抄録を更新しました。
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