- 日時
- 2018年07月12日(木)17:30~19:00
- テーマ
- ゲノム医療と遺伝カウンセリング
(名古屋医療センター発信)
司会 名古屋医療センター 遺伝診療科 服部 浩佳
ゲノム医療が臨床に深く関わるようになり、日常診療で話題になることも増えてきました。今回は、分子遺伝学研究、遺伝カウンセリング、臨床遺伝、と異なる立場からゲノム医療に携わる3名の演者が、それぞれの視点からがんのゲノム医療と遺伝カウンセリングについて発表させて頂きます。
1.造血器腫瘍におけるクリニカルシーケンスの経験
名古屋医療センター 臨床研究センター・生体情報解析室 安田 貴彦
今年度よりがんゲノム医療がゲノム中核病院を中心に実践される。これに先駆けAMED 堀部班では、昨年度より臨床研究として造血器腫瘍を対象にクリニカルシーケンスを開始した。本班で実施しているクリニカルシーケンスは、単施設ではなく多施設のメンバーで構成されるエキスパートパネルを有している点が最大の特徴である。現時点までの研究の進捗状況、成果・問題点などを本講演で述べる。
2.遺伝カウンセラーからみたゲノム医療時代の多職種連携
名古屋大学医学部付属病院ゲノム医療センター・名古屋医療センター遺伝診療科 森川 真紀
国内においてがん遺伝子パネル検査が急速に普及すると予想される中、6月には薬剤のコンパニオン診断としてBRCA1/2遺伝学的検査(診断システム)が保険収載され、体細胞と生殖細胞、がんの治療と遺伝性腫瘍の診断、それぞれ両面からの考慮が不可欠な時代となった。多職種がそれぞれの専門分野を生かしつつ、よりよいゲノム医療を提供する方法について、遺伝カウンセラーの視点から考えてみる。
3.がんゲノム医療に必要とされる遺伝カウンセリング
名古屋医療センター 遺伝診療科 服部 浩佳
がん遺伝子パネル検査においては治療ターゲットとしてのがん組織の体細胞変異、二次的所としての生殖細胞系列変異の間に一線を引くことにより、患者さんに有益な情報を還元することと、家系員を含めた遺伝医療の成立を同時に満たそうとしている。一方でMulti-geneパネルが通常のがんの遺伝カウンセリングの場でも登場している。このような実態を踏まえてがんのゲノム医療を提供する際に必要な遺伝カウンセリングについて基本に立ち返って考えてみたい。