- 日時
- 2018年06月14日(木)17:30~19:00
- テーマ
- ロボット支援腎部分切除術の標準術式確立に向けて
(四国がんセンター発信)
司会 四国がんセンター 泌尿器科医長 二宮 郁
1.ロボット手術の概況とロボット支援腎部分切除術について
四国がんセンター 泌尿器科医長 二宮 郁
腎がんに対する腎部分切除術は根治的腎摘除術と同等の制がん性があり、腎機能温存の観点からは有用であり推奨されている。2016年度からはロボット支援腎部分切除術が保険収載され症例数が増加している。しかし同じロボット支援腎部分切除でも腎への到達法、血管の阻血の有無、腎の縫合の有無など様々なバリエーションが存在する。今回手術症例数の多い施設で採用されている方法などをご提示いただき、標準法が確立できるか検討したい。
また、2018年度からはロボット手術の保険適応術式が増加しており、今後手術症例はさらに増加すると思われる。ロボット手術の概況についても発表したい。
2.愛媛大学におけるロボット支援腎部分切除術の手術手技概要と治療成績の検討
愛媛大学 医学部泌尿器科 三浦 徳宣
ロボット支援腎部分切除術(RAPN)が保険適応となって以降、当院における腎部分切除術のほとんどはロボットでの治療に移行している。開腹手術、腹腔鏡下腎部分切除術と比較して、侵襲軽減、精度向上などすぐれた点が多いといわれているが、一方、導入初期であり、腫瘍の埋没程度、血管/尿路との位置関係、大きさなど、どのあたりまで安全に施行可能かなどの検討はまだ未成熟な部分も多い。今回、当院におけるRAPN手術を供覧し、到達法、腫瘍ナビゲーション、腎実質断面処理などの手術手技、および治療成績について報告する。
3.愛媛県立中央病院におけるロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RAPN)の臨床的検討
愛媛県立中央病院 泌尿器科 山師 定
当院では2014年3月にロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RAPN)を開始し、2016年4月の保険適応後、腎部分切除術の標準術式となっている。2014年3月から2018年3月までに当院で行ったRAPN症例43例について臨床的検討を行った。術者は7人で、手術方法は、全阻血で腫瘍を切除し、V-Locで深部縫合と実質縫合を行った。コンソール時間は102±39分、温阻血時間21.6±9.0分だった。