- 日時
- 2018年10月11日(木)17:30~19:00
- テーマ
- 免疫チェックポイント阻害剤の現状について
(国立がん研究センター東病院発信)
司会 国立がん研究センター東病院 消化管内科 設楽 紘平
1.非小細胞肺がんにおける免疫チェックポイント阻害剤の現状と展望
国立がん研究センター中央病院 先端医療科 藤原 豊
非小細胞肺がんにおける免疫チェックポイント阻害薬は、様々な治療ラインにおいて単剤または併用療法の有効性が検証され、進行期1次治療、2次治療以降および化学放射線療法後の維持治療において標準治療と考えられている。ここ数年間の大規模臨床試験の結果を振り返るとともに、治療効果に関わるバイオマーカー探索の現状、さらなる治療効果の向上に向けた試みについて概説する。さらに早期試験に導入されつつある治療標的の展望について私見を述べる。
2.泌尿器科がんにおける免疫チェックポイント阻害剤の現状と将来展望
国立がん研究センター東病院 乳腺・腫瘍内科 松原 伸晃
泌尿器科がんといっても、その中の3大がんである前立腺がん、尿路上皮がん、腎細胞がんではそれぞれ、現状および開発状況に温度差がある。
最も早期に開発が始まった腎細胞がんでは、Nivolumab単剤治療に加えてNivolumab+Ipilimumabの本邦での承認も目前である。また各種TKIとの併用療法も第3相試験が進行中である。尿路上皮がんにおいてはPembrolizumabが2017年12月に本邦においても承認され日常臨床で広く使用されている。一方最も患者数の多い前立腺がんにおいては比較的早期から開発がなされてきたが、Ipilimumabで大規模な2つの第3相試験で主要評価項目を達成できず、未だ使用可能な免疫チェックポイント阻害剤は無い。これら3がん種での開発状況およびバイオマーカーについて解説をする。
3.消化管がんに対する免疫チェックポイント阻害剤
国立がん研究センター東病院 消化管内科 設楽 紘平
消化管がん領域においては、二つ以上の前治療を行われて進行した胃がんに対するNivolumabがPlaceboと比較して生存を延長したことが確認され、2017年9月に本邦において承認が得られている。一方で二次治療・三次治療においてはpembrolizumab、avelumabが化学療法と比較して生存を延長できず、前方ラインで使用するためには適切な患者集団の絞り込みが重要であることが示唆された。バイオマーカー探索の現状や、消化管がんに対する免疫チェックポイント阻害剤を含む併用療法の開発状況の現状と展望について報告する。