- 日時
- 2018年02月08日(木)17:30~19:00
- テーマ
- 転移性骨腫瘍
(都立駒込病院発信)
司会 都立駒込病院 副院長(骨軟部腫瘍科) 五嶋 孝博
がん患者が増加し、各種治療法の進歩によってがん患者の生存期間が延長した結果、骨転移を有する患者が増加している。都立駒込病院では転移性骨腫瘍の治療を精力的に行っている。腫瘍整形外科、脊椎外科、放射線治療の各分野の3名の医師が、それぞれの分野においてADLやQOLの改善、可能ならば根治を目指して行っている治療の現状を解説する。また、当院で特に力を入れている治療法にも言及する。
1.骨転移キャンサーボードの骨転移診療への影響と四肢骨転移患者における治療戦略
東京都立駒込病院 骨軟部腫瘍科 石橋 祐貴
2015年9月より開催されている当院の骨転移キャンサーボードについて紹介し、実際に骨転移診療へどのような影響を与えているのかを考察、検討する。
また、当院における大腿骨骨転移を主とした四肢骨転移患者に対する治療戦略について実例を挙げて紹介する。
2.脊椎転移に対する集学的治療の実践
東京都立駒込病院 整形外科医長 杉田 守礼
当院では脊椎転移に対して後方除圧固定及び術後照射の標準治療に加えて、臨床試験として後方除圧固定と術中照射の併用、さらにはSeparation手術と組み合わせた定位照射(SBRT)という複数の選択があり、症例により適応を定めている。今回は標準治療を除いた2方法をその具体的手法、ならびに各方法の望ましい適応を紹介する。さらに実例を挙げつつその臨床成績について報告する。
3.体幹部定位放射線治療(SBRT)を用いた新たなアプローチ
東京都立駒込病院 放射線診療科治療部 伊藤 慶
骨転移に対する放射線治療、特に一般的なリニアックによる体外照射は、疼痛緩和、脊髄圧迫の予防・解除、骨折予防などの目的で広く用いられている。全身療法の進歩により遠隔転移を有する患者の生命予後が延長したため、骨転移巣の長期制御や安全な再照射など、これまでの体外照射の課題が顕在化している。そこで近年、体幹部定位放射線治療を用いた治療開発が進められており、今回はエビデンスに則って本治療を概説する。