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【多職種向け】 2018年

多地点合同メディカル・カンファレンス[2018-第9回]

(大阪国際がんセンター発信)
司会 大阪国際がんセンター 相談支援センター 東山 聖彦

がん治療成績の向上にともない、社会で活躍しているがん患者やその生存者は増加している。その中で、新たな就労や治療と仕事の両立に関わる社会的問題を抱えるがん患者支援は、今や様々な立場の人々や組織で開始されている。今回は、がん拠点病院の医療従事者が取り組んでいる就労支援について、新たなものやユニークなものも含め紹介して頂き、がん拠点病院が果たすべき支援について討論を行いたい。

1.はじめに

大阪国際がんセンター 副院長(相談支援センター長) 東山 聖彦

がん患者の「仕事と治療の両立支援(就労支援)」の必要性がさけばれて、既に数年以上となる。都道府県がん診療連携拠点病院である当センターでは、医療従事者(主にがん相談員)による就労相談に加え、最近はハローワークナビゲーターや産保総合支援センター促進員による出張相談事業、社会労務士ホットライン事業の協力により、その支援体制は漸次充実しつつある。これら取り組みの成果と、さらに多様なニーズに応ずるために今後なすべき支援にはどのようなものがあるのかを報告する。

2.がん相談員が経験するがん患者の就労課題

大阪国際がんセンター がん相談支援センター 池山 晴人

国や都道府県のがん対策に関する計画にはがん患者の就労支援が重点項目として盛り込まれ、地域機関との連携構築や、この4月からはがん患者の就労・両立支援に診療報酬が設定されるなど支援体制の整備が進んでいる。その中で当事者は仕事に関してどのような悩みを持ち、医療機関で相談し、支援メニューに繋がる(または繋がらない)のか、当事者の語りから就労課題を考えたい。

3.就労支援の充実を図るには?-地域とチームでPDCAサイクル-

市立岸和田市民病院 医療福祉相談部・がん相談支援センター 咲花 彩

がん患者の就労支援に関して、私たちは何をすべきか?当二次医療圏では、地域のがん相談員と検討を重ねてきた。得られた課題から、当院では他職種の協力を得て「仕事の悩みがあるがん患者」に対し「早期」「全件」に相談介入する仕組みを構築した。取り組みを通し次の課題を得、仕組みを改善し、院内だけでなく地域においてもその経過を共有する。これはいわば、地域と院内を循環してPDCAサイクルを回してきた経過とも言え、ここに話題提供する。

4.就労支援の新たな取り組み 企業支援活動の重要性

独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 臨床研究推進部 青儀 健二郎

がん患者就労支援の鍵となる企業の人事担当者を対象に就労支援教育セミナーを企画・実践した。セミナーでは講演、映像教材を用いてがん治療の現状や就労支援が抱える問題点を情報提供し、KJ法によるディスカッション、対策立案の過程を現実に共有するためロールプレイを行った。3回のセミナーでは計105名のスタッフの参加を得た。就労支援への理解度はセミナー後明らかな改善が認められ、「可能な業務や業務の支障を医療機関に確認し、業務内容を調整する」、「社会保障制度・就業規則の理解と、就業規則の改定・見直しを行う」、等の具体的な反応が得られた。

更新・確認日:2023年08月30日 [ 履歴 ]
履歴
2023年08月30日 ビデオを削除いたしました。
2018年06月19日 ビデオを掲載しました。
2018年05月14日 抄録を更新しました。
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