- 日時
- 2021年02月25日(木)17:30~19:00
- テーマ
- がん患者に対する就労支援
(四国がんセンター発信)
司会 四国がんセンター 患者・家族総合支援センター 部長 灘野 成人
2012年に第2期がん対策推進基本計画にがん患者の就労問題が追加され、2013年から就労支援のモデル事業が実施された。当初より、当院はモデル事業に参加し継続している。2018年の第3期がん対策推進基本計画では「がんとの共生」という施策になり、就労支援の重要性が高まった。また、2018年から療養・就労両立支援指導料が新設され、両立支援コーディネーターの育成も開始された。今回、当院の就労支援へ取り組みについて医師、医療ソーシャルワーカー、看護師から紹介する。
1. 医師の立場から行うがん患者就労支援の試み
四国がんセンター 臨床研究推進部 部長 青儀 健二郎
治療と仕事の両立支援が多く求められる乳腺科医師として、自身の受け持ち患者を中心に、診療時に支援窓口との連携を常に行いながらニーズを掘り起こし、がん患者への療養・就労両立支援指導(患者説明用紙、主治医意見書等)を行ってきた。さらに教育の一環として患者・企業人事担当者・社会労務士対象の就労支援講演会・セミナーを適宜開催しているためこれらを報告する。
2. がん相談支援センターの取り組みについて
四国がんセンター がん相談支援センター 医療ソーシャルワーカー 大西 明子
就労支援の重要性が高まる中、当院でも就労に関する相談件数は増加しており、がん相談支援センターの医療ソーシャルワーカーを中心に支援を行っている。治療を受けながらの就労継続や復職に不安を抱えている患者に、早期から介入し適切な時期に支援ができるように心がけている。また、院内各部署と連携をとり、「療養・就労両立支援指導料」の算定につながるように取り組みを行ったので報告する。
3. 出張就職・就労相談の取り組みについて
四国がんセンター 患者・家族総合支援室 看護師 山嵜 三紀子
四国がんセンターでは、「がん治療を受けながら働きたい」という患者の思いを支援するために出張就職・就労相談を実施している。2013年度(モデル事業)から週1回の就職相談、2016年度から月2回の就労相談が行われている。昨年度は、就職相談138件/年、就労相談14件/年の相談を受けた。患者を中心に、就職支援ナビゲーターや両立促進員と院内医療者との連携方法や相談状況などの取り組みについて調整担当者(看護師)の立場から実績と共に報告する。