- 日時
- 2021年10月28日(木)17:30~19:00
- テーマ
- 肝がんに対する治療
(呉医療センター発信)
司会 呉医療センター 外科 田代 裕尊
呉医療センターにおける肝がんに対する外科的・内科的治療の現状と問題点について、また広島大学から肝移植療法や放射線治療を含めた集学的治療法の現状と問題点について報告する。
1. 切除不能肝細胞がんに対するアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法の初期治療効果と安全性の検討
呉医療センター 消化器内科 河野 博孝
切除不能のHCCに対する化学療法は、レンバチニブはじめ免疫チェックポイント阻害剤も適応されるようになり、選択肢も増えた。今回当院におけるアテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法の経験を報告する。
2. 当院におけるHCCに対するIVR治療
呉医療センター 放射線科 梶原 賢司
本邦において近年、肝炎ウイルス患者の減少と分子標的薬の進歩により、HCCに対するIVR的な治療は近年劇的な減少傾向にある。当院でのHCCの治療に対するIVRとして放射線科ではTACEや肝動注リザーバー留置など、血管系のIVRを主に行っている。当院におけるHCCのIVR的治療方針(DEB-TACEやC-TACEの使い分け)や方法、治療成績を簡易に報告する。
3. 肝がんに対する腹腔鏡下肝切除
呉医療センター 外科 尾上 隆司
肝がんに対する外科的切除も鏡視下手術の適応拡大がなされてきた。当院における高齢者や再肝切除に対する腹腔鏡下肝切除の現状と問題点について報告する。
4. 肝臓がんに対する集学的治療
広島大学消化器・移植外科 大平 真裕
HCCに対する定位放射線照射は、有効な局所制御法のひとつだが、背景をそろえた肝切除と比較すると生存率や無再発生存率は有意に低い。放射線治療後の再発病変に対する肝切除は胆汁瘻が好発であり、適応を慎重に判断すべき。非代償性肝硬変に合併したHCCに対する唯一の治療は肝臓移植である。2019年より保険適応に5-5-500基準が追加され適応が拡大された。拡大基準の注意点及び対策について概説する。