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【医師向け】 2021年

多地点合同メディカル・カンファレンス[2021-第9回]

(新潟県立がんセンター新潟病院発信)
司会 新潟県立がんセンター新潟病院 病理診断科 川崎 隆

パラフィンブロック(ホルマリン固定パラフィン包埋ブロック:以下FFPE)は、常温で長期間の保存可能な標本である。また、FFPEは「診療に関する諸記録」と規定され、一定期間の保管管理(医師法上5年以上保存)が求められる。FFPEは遺伝子パネル検査やMSI検査などに利用されるが、品質の問題から利用年限が作製から3年以内とされることが多い。FFPEは多くの施設で長期間保管されているが、保管場所の確保は大きな問題である。今回、FFPEの保管について多地点カンファレンス参加23施設に事前アンケートを行った。その結果も踏まえてFFPEの保管の方向性を考えたい。

1. パラフィンブロックは30年、プレパラートは20年保管

新潟県立がんセンター新潟病院 病理診断科 川崎 隆

FFPEは永年保存としていたが、昨年2月時点で2021年中に院内の保管場所がなくなることが判明した。これを機に病院としてFFPEの保管について検討した。実際の利用状況、全がん協参加施設など他施設の保管状況や顧問弁護士の意見を参考にして保管期間を30年とし、病理部門診療情報管理規程を作成した。保管に関する同意は主にオプトアウトにより行うこととした。過去のFFPEについては病院HPにお知らせを掲載し、新規については病院HPと外来掲示板でお知らせするとともに、一部診療科では個別同意を得ることにした。

2. パラフィンブロックは永久保存、プレパラートは現状15年保管

岐阜大学医学部附属病院 病理部・病理診断科 宮崎 龍彦

当院では病理検体数の急激な増加に鑑みポリシーを変更、FFPEは従来通り永久保存するが、プレパラートは15年保管とし、重要なものはバーチャル化する。現在、病理部エリアの他に看護学科と医学部本館に各1室200m2程度の部屋を借用して凌いでいる。さらに、現在建設中の新手術棟に中二階を設置して今後の検体置き場とする。長期保管後ゲノム解析に耐えるFFPE作製の為に固定法の改善にも取り組んでいる。

3. 必要なパラフィンブロックを長く残したい

四国がんセンター 病理科 寺本 典弘

当院では、癒合して使えなくなった76-81年の生検、古い解剖のFFPEをこれまで破棄しているが、それ以外の大部分の症例のFFPEを保存している。FFPE用にかなり大きな容積を院内に確保しているが、FFPEの全てが必要なFFPEというわけではない。不要な資料を持つために施設の医療資源を過大に要求することは望ましくないので、適切な減量策を図る必要がある。
当院は1件あたりの切り出し数が多いので、手術標本FFPEの選別を行っている。FFPEの選別とは、診断時重要なブロックを1症例あたり1-4個ほど選択し分けて保存し、保存スペースが逼迫したときにそれ以外のブロックを破棄することである。別の対策として、不揃いであったブロックの大きさを、2019年以来標準サイズのブロックに統一し収納の効率化を図っている。FFPEの保存に関して他科が真剣に心配することは期待できないが、当科では『検体は臨床から預かっているものだ』と喧伝することで当事者意識を持ってもらうことを目指している。

更新・確認日:2021年07月01日 [ 履歴 ]
履歴
2021年07月01日 ビデオを掲載しました。
2021年06月03日 抄録を更新しました。
2020年12月23日 抄録を掲載しました。
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