- 日時
- 2021年04月08日(木)17:30~19:00
- テーマ
- がんゲノム医療の現状と展望
(国立がん研究センター中央病院発信)
司会 国立がん研究センター中央病院 先端医療科長 山本 昇
がんゲノムプロファイリング検査が保険適用を受け、2年になろうとしています。今、できること、できないこと。治療へのつながりの現状と課題、および克服戦略。今後のゲノム検査の方向性など。について、当院のゲノム診療をリードしている次世代エースに講演をしていただきます。
1. がんゲノムプロファイリング検査でわかること、わからないこと
国立がん研究センター中央病院 臨床検査科 角南 久仁子
2019年6月の保険収載以降、臨床現場に浸透しつつあるがんゲノムプロファイリング(CGP)検査は、次世代シークエンサー(NGS)を用いた遺伝子検査であり、従来の遺伝子検査とは解析原理が異なる。本発表ではNGSを用いた解析の流れを概説し、CGP検査の利点と限界について共有することで検査結果の正しい解釈につなげたい。
2. がんゲノム医療:治療へのつながり
国立がん研究センター中央病院 先端医療科 小山 隆文
日常のがん診療において、がん遺伝子パネル検査が一般的に実施されるようになり、Precision Oncologyへの期待が高まっているが、Precision Oncologyの実現に向け、解決すべき課題も存在する。検査後に遺伝子異常にマッチした治療に到達する割合は10%程度と患者の期待からすると充分とはいえない可能性がある。どのようなアプローチを行うことで、マッチした治療に到達する患者を増やすことができるかを述べる。
3. がんゲノム医療:今後の展望
国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 医長 下井 辰徳
次世代シークエンシング技術を用いたがんゲノム検査の結果が、診断、治療選択に用いられるようになった。将来的には、Liquid biopsyをもとにしたリアルタイムな治療選択、効果予測、そしてMRD評価などが期待される。今回、将来的ながんゲノム医療の在り方について、皆と議論したい。