- 日時
- 2021年07月08日(木)17:30~19:00
- テーマ
- 認知症をもつ高齢がん患者への支援
(国立がん研究センター東病院発信)
司会 国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科 小川 朝生
高齢者の診療機会が増え、認知症/認知機能障害をもつがん患者の治療場面も増加している。認知症を併存した場合の、治療の初期段階からの支援の試みと実例を紹介し、今後の支援体制について検討を深めたい。
1. 認知症とがん医療について
国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科 小川 朝生
高齢者の診療機会が増え、認知症/認知機能障害をもつがん患者の治療場面も増加している。認知症は、意思決定能力の低下のほかに、アドヒアランスの低下、せん妄の併発、再入院の増加等を通して治療にさまざまな影響を及ぼすため、系統的な評価と支援が重要である。ここでは、認知症の影響について概要を確認した後に、当院での治療の初期段階からの支援の試みと実例を紹介し、今後の支援体制について検討を深めたい。
2. 東病院における認知症対応
国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科 榎戸 正則
高齢者には認知機能低下をはじめ、身体機能の低下、社会経済的な問題を伴うことが多く、系統的な評価・支援が重要である。一方で系統的な支援には一定の医療資源や期間が必要であり、当院では複数の部署が関係する認知症対応の体制の構築を行っている。
看護師に対するせん妄対応の教育研修や治療開始前からの包括的評価・支援の実際の内容を紹介し今後の目標・課題に関してご意見をいただきたい。
3. 認知症をもつがん患者への多職種によるチームアプローチ
国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科 中村 友理香
認知症/認知機能障害をもつ高齢がん患者の治療においては、認知機能に鑑みた手技獲得支援や療養先の検討等を行う必要がる。これらのゴール設定に際してはサポート状況や社会資源等の情報を、主治医と病棟スタッフ、多職種チームで共有することが求められる。ここでは当院精神腫瘍科チームが入院中に病棟スタッフと共に術後の手技獲得支援や退院支援を進めた患者の症例を提示し、当チームにおける高齢がん患者への支援のあり方について報告する。