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【多職種向け】 2022年

多地点合同メディカル・カンファレンス[2022-第7回]

(九州がんセンター発信)
司会 九州がんセンター 医療安全管理部部長・副院長 古川 正幸

従来の医療安全に対する考え方は、複数の対策を多層的に構築することを重要視し、悪い方向へ向かうベクトルだけに注目してきました。しかし、現代社会においては脅威の完全除去は困難で、脅威に柔軟に対応して安定を保つ、レジリエンスの強化が重要です。悪い結果の原因をすべて除去すれば安全が達成されると考えるSafety-Ⅰのみならず、うまくいくことを調べ、それが起こる可能性を増大させると考えるSafety-Ⅱに着目し、なぜうまくいったのかを振り返ることも重要です。本日は、当院の取り組みを紹介するとともに、一歩進んだ医療安全推進活動について議論したいと思います。

1. “はなまるレポート“活動とsafety2

九州がんセンター 医療安全管理室室長・頭頸科医長 藤 賢史

九州がんセンターでは、2020年度からレベル0のインシデントレポートを“はなまるレポート”と呼び、提出活用推進活動を行っている。事故原因をなくすことで安全を目指すというコンセプト(safety-Ⅰ)が行き詰まっている中で、全職員がsafety-Ⅱ(うまくいっていること注目し、その理由を明らかにすることでプロアクティブな安全対策を行う)を理解し、利活用できる医療安全文化の醸成を目指している。

2. 医療安全管理室における“はなまるレポート”の推進活動

九州がんセンター 医療安全管理係長 宝来 佳奈

“はなまるレポート”の推進には、職員がレジリエンスを理解することと、体制の構築が課題であった。そのため、職員研修や、愛称の公募、報告システムの改修、「はなまるベスト7」の表彰などを行った。その結果、報告件数は増加し、表彰されることで部署の活動が注目され、モチベーションのアップにつながっている。さらに、職場のコミュニケーションや、業務改善、コスト削減などへの活用も示唆されるため、活動の経過について紹介する。

3. 病棟における“はなまるレポート”の推進活動

九州がんセンター 看護部 副看護師長 橋本 沙樹

“はなまるレポート”普及の課題として、作成時の負担感、記載方法に不慣れ、低いモチベーションなどが挙げられた。基本コンセプトを説明し動機づけを図るとともに、提出されたレポートを様々な方法でフィードバックすることで、他者の長所を見つけ、学習するという病棟文化を醸成することを目指した。この結果、自身だけでなく他者の観察をする習慣が増え、結果的に、確認不足に起因するインシデント数が減少した。

更新・確認日:2023年08月30日 [ 履歴 ]
履歴
2023年08月30日 ビデオを削除いたしました。
2022年05月09日 ビデオを掲載いたしました。
2022年04月20日 抄録を更新しました。
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