- 日時
- 2022年06月09日(木)17:30~18:30
- テーマ
- バッドニュースを伝えるコミュニケーションスキル ~自分自身のコミュニケーションに向き合う~
(新潟県立がんセンター新潟病院発信)
司会 新潟県立がんセンター新潟病院 内科(血液化学療法)今井 洋介
がん医療の現場では、人生の見通しを180度悪い方向へ転換するbad newsを伝える際には細心の注意と配慮を要するが、どんなに難しい告知も、常に待ったなしの本番勝負であり、自分自身のコミュニケーションについて分析する機会もない。
日本サイコオンコロジー学会が開発したSHAREプロトコールを用いたコミュニケーションスキル講習会:SHARE-CSTについて第一線のオンコロジストとして活躍中の二人に伺う。
1. コミュニケーション・スキル・トレーニング:SHARE-CSTの開発・普及・実装
国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 支持・サバイバーシップTR研究部/行動
科学研究部 藤森 麻衣子
悪い知らせを伝えられる際に患者が望むコミュニケーションが調査の結果から提案されている。望ましいコミュニケーションを学習する方法としてコミュニケーション技術研修が開発され、有効性が無作為化比較試験により示されている。そのため全国の医師を対象とした研修会として開催されてきた。さらにガイドラインへの収載によって普及することが期待される。また、新たな課題への取り組みを紹介する。
2. コミュニケーションとは?‐双方向の情報共有です‐
水戸済生会総合病院 緩和ケア内科 高久 秀哉
コミュニケーションの語源はラテン語のcommunicare(共有する)で、コミュニケーションの本質は「双方向で情報を共有すること」である。そのため、医師(医療者)側もしくは患者側の一方的な情報伝達では臨床コミュニケーションとはならない。円滑なコミュニケーションを意識的に行うために両者がいかにすべきかを、患者側・医師(医療者)側の要素にわけて、私見を交えてお話させていただく。
3. 臨床現場できっと役立つ!コミュニケーション・スキル・トレーニング
~ あなたの未来をひろげるSHARE ~
長岡赤十字病院 緩和ケア科 佐藤 直子
難治がんの診断・再発・抗がん剤の中止などの悪い知らせを患者さん・ご家族に伝えることは、私たち医療者にとって苦痛を伴います。事実をきちんと伝えながらも、相手の心情に配慮した伝え方をするにはどうしたらよいのでしょうか。患者さん・ご家族の価値観の多様性が拡がっている今、医療者にこそコミュニケーション・スキルが求められています。そのスキルを学ぶことのできるコミュニケーション技術研修会の大切さについてお話させていただきます。